私は、青山学院大学の著名な生物学者である
福岡伸一先生の大ファンです。
特に生命はなぜ宿るのか?に迫った
「動的平衡」は素人の私にも極めて分かりやすい名著だと思います。
その福岡先生は、
「ウイルスは撲滅できない」
とおっしゃっています。
新型コロナウイルスで世界中が前代未聞の
苦しい状況に追いやられている中、なんだか
この言葉には脱力してしまいそうです。
そんなはずはない!
人類は今、果敢にウイルスと戦っているではないか。
もう少しすればきっと封じ込められるはず。。。
そのように世界中が願っているなかで
福岡先生はなんてことを言うんだ・・と
そう思っていましたが以下の話を聞くと
そうなのか・・・信じられないがそういうメカニズムなのか。。。
といったようなことが朝日新聞デジタルに
掲載されていたのでご紹介します。
おぞましいウイルスは人類の古くからの「仲良し」?
ここでの引用元は朝日新聞デジタルの有料記事ですが
コロナの影響で昨日まで有料会員しか読めませんでしたが
本日より無料会員登録で有料記事が読めます。
さて、ウイルスについて新型コロナに限りませんが
そのミッションはただひとつ。。。
自己複製を唯一無二の目的としていることです。
こいつはいったいどこからやってきたのだろう・・・
そもそもウイルスはなぜ存在しているのだろうか・・・
そんな疑問を抱きながらこの一節を読んだときは
飛び上がるくらいに驚きました。
なお、読みやすさを考慮して私の独断で
改行など入れておりますのでご承知おきください。
今、世界中を混乱に陥れている新型コロナウイルスは、
目に見えないテロリストのように恐れられているが、
一方的に襲撃してくるのではない。まず、ウイルス表面のたんぱく質が、
細胞側にある血圧の調整に関わるたんぱく質と強力に結合する。これは偶然にも思えるが、ウイルスたんぱく質と宿主たんぱく質とには
もともと友だち関係があったとも解釈できる。それだけではない。
さらに細胞膜に存在する宿主のたんぱく質分解酵素が、
ウイルスたんぱく質に近づいてきて、
これを特別な位置で切断する。するとその断端が指先のようにするすると伸びて、
ウイルスの殻と宿主の細胞膜とを巧みにたぐりよせて融合させ、
ウイルスの内部の遺伝物質を細胞内に注入する。かくしてウイルスは宿主の細胞内に感染するわけだが、
それは宿主側が極めて積極的に、
ウイルスを招き入れているとさえいえる挙動をした結果である。
・・・福岡先生によると、
新型コロナウイルスと人間の細胞はお友達関係だそうです。
ウイルスの遺伝物質を宿主たる人間が積極的に
お招きしているとさえいえる。。。。恐ろしい話です。
確かになんだか協力しあって結合しているように見える。
いったいどういうことなのでしょうか?
福岡先生はウイルスの起源から説明しています。
ウイルスは構造の単純さゆえ、
生命発生の初源から存在したかといえばそうではなく、
進化の結果、高等生物が登場したあと、はじめてウイルスは現れた。高等生物の遺伝子の一部が、外部に飛び出したものとして。
つまり、ウイルスはもともと私たちのものだった。それが家出し、また、どこかから流れてきた
家出人を宿主は優しく迎え入れているのだ。
いやはや、これが真実ならどう言えばよいのでしょうか?
この話の続きは、こちらの朝日新聞デジタル記事をご覧ください。
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Nextstrainで新型コロナウイルスを見る(専門家向け)
今、世界中の医療機関にいる専門家が、
新型コロナウイルス(COVID-19)がどこからどこへ伝わっているのか
実は変異を繰り返しているのですが、それぞれのルーツは
どうなっているのかをリアルタイムに紹介しているのがNextstrain
-
https://nextstrain.org/
続きを見る
ここには、概要を読んでみると
共有されている 2,544 種のゲノムを分析しました。
これらのウイルスのゲノムを相互に比較することにより、
COVID-19 が世界中をどのように移動しているか、
地域の中でどのように拡散しているかを特徴付けることができます。
2020.4.8時点(日本時間)すでに2544種類以上のDNA配列をもつ
新型コロナウイルスが存在しているということですね。
これらがどういう関係にあるのか、キャプチャの一部ですが
このイメージだけでも、そんなにあるのか!?と驚くばかりです。
縦軸は国別で、横軸は時間の経過。
紫色は発祥の地である中国ルーツのものです。
ここから無数のゲノムが違う子や孫が時間とともに
世界に広がっている様子を示しています。