いわゆる情報販売ビジネスの典型例にして、
もっとも効果が高い(販売者側の視点で)と思われているものに
DRM=Direct Response Marketing
が2020年の今も人気を博しています。
私は以下の言い方が好きではありませんが
(『教育』という表現が常に引っかかるのです)
端的にDRMを説明する言葉として;
リストを集め、
リストを教育し、
リストに売る。
これがDRMです。
ダイレクトにリスト(=大抵の場合、個人であり企業ではありません)
の反応を取りながら商売をする、という意味です。
このDRMにおける売り方として、
入手しやすい価格でフロントエンド商品を売り、
その購入者に対して、高額のバックエンド商品を売る、
というのはほぼ定石となっております。
フロントエンド商品で信用を得られるほど
バックエンド商品は売りやすくなります。
ただ、購入者側に立って見ると
バックエンド商品ははるかに高額なので
様々な理由で購入する人は減ってくるのが特徴です。
バックエンド商品には、よく見かける
数十万円台のものから、これまで私が見たケースでは
200~300万円クラスのものまでさまざま。
これだけ高額な商品ではありますがそれでも売れる。
販売者にとっては売上と利益総額をちゃんと読んで
ここで大儲けする、というのがこれまた定石となっています。
このバックエンド商品ですが、購入者目線では;
買って正解の人、
買って損する人、
の2つに冷酷に落ち着いてしまいます。
なぜそうなるのでしょうか?
その理由を紐解いていきたいと思います。
バックエンドを購入する理由
大別するとこの理由には3通りあるように思います。
- フロントエンド商品で成果が出ていないがバックエンドにきっと答があるという期待
- フロントエンド商品で成果が出たのでバックエンドならさらに拡大できる期待
- フロントエンド商品に依存せず成果も無関係に別の目的(人脈作り、ジョイントなど)がある
私がこれまで見てきたなかでは、前記のA/B/Cの比率は
A=95%以上、BとCを合わせて5%以下
だと理解しています。
これが現実です。
ほとんどの人がフロントエンド商品で成果を出せないままに
バックエンド商品に自分の知りたい答があると期待し
ポチっと購入ボタンを押してしまうのです。
しかしこれはほとんどのケースで
誤った選択です。
どこが誤っているのか、
では誤っていないのはどういう場合か
・・・とても重要なコトの本質をお話します。
バックエンドを買って正解の人
最初に、バックエンド商品を買って正解の人についてお話します。
これは先ほどのBもしくはCに該当する人となります。
そうです、たった5%以下の人にとっては
極めて有益なものに化ける可能性があるのです。
BもしくはCに該当する人とは、
すでに何等かの形で自分のビジネスモデルが存在し、
そこから収益が実際に生まれている人となります。
CはBと全く異なります。
そもそもフロントエンド商品及びバックエンド商品
の中身に関心があるとすると、そこは従来の自分のビジネスを
拡大・発展できる可能性を感じているのがCに該当する人です。
そこには技術的なことよりも、むしろ営業面で
ビジネス拡大の可能性がどれだけあるかどうかが重要なのです。
なお一般論としては;
バックエンド商品はフロントエンド商品の発展型か、
少なくともフロントエンド商品と無関係のものではないはずです。
平たく言うと、
応用編
に相当するものです。
バックエンド商品にはいろいろなバリエーションがあるものの
基本は、フロントエンド商品のさらに奥、さらにハイレベル
などを追求した形になるはずです。
つまり、基礎ができている人こそが
応用編に遭遇した際に、期待が現実になる可能性がある、
・・・そういうものなのです。
例えば自分の商品をもっており、
それを担いでくれる仲間を探すために
バックエンドに申し込むなら、それはありです。
自分の「売り」を明確にできて、
それを差別化できる説明ができる人であれば
おそらくコミュニケーション能力も必要十分なはずで
バックエンドでさらにうまくいく可能性が激高になるでしょう。
バックエンドを買って後悔する人
一方で、フロントエンド商品で成果が出せない、
そもそも必要な企画(考えを具体化したもの)を立てていない、
それ以前に行動をまるで起こしていない
・・・こういう人がAに属します。
Aに該当するほとんどの人が、なぜか
バックエンド商品ならその夢を叶えてくれる
と淡い期待を抱いています。
フロントエンド商品では必要な知識やノウハウが
提供されていない、でもこの高額なバックエンド商品なら
きっとそこに秘密の答があるはずだ。。。
と根拠なく信じてしまっています。
ところがそこには答は存在しません。
例えばバックエンド商品が何等かの高額セミナーであったとしましょう。
Aに該当する人がその場合に期待できることは、
- 動機付けが強力になる
- 集まった人たちと人脈が作れる
概ねこの二つに集約されます。
よってこれらの動機付け、人脈作りという観点で
それでよし、としている場合には期待通りとなるでしょう。
しかし、これ以外に何か得られるかどうかはわかりません。
誰もあなたの代わりをしてくれません。
誰かが稼がせてくれるのではなく、その主体はあなた自身であり
いろいろなアドバイスをしても行動できない人には馬の耳に念仏。
バックエンドの前に何かしらの行動が進んでいない状況で
なぜバックエンドで行動できると思うのか?
ご自身の胸に問うとお分かりのはずです。
今まで、
とにかく日々の仕事で忙しい・・・
時間を取ることもままならない・・・
このように先延ばしの理由で何もできなかった人が
いきなりバックエンドでなぜ始められるのでしょうか?
こういったケースではバックエンド商品に期待することが;
費用回収とともにうんと稼ぎ出せるはず
というのは、大抵の場合に夢のまた夢で終わります。
それどころか、大金を無理やり捻出して
バックエンド商品購入したがために
それから長い期間、クレジットカード支払いや
どこかからの借金返済に苦しむほうの可能性が高いのです。
私はそういう人を多く見てきました。
フロントエンド商品でも自分のビジネスが手付かずなのに
バックエンド商品に答があると信じていることに
そもそもの間違いがあると言いたいのです。
ではいったいどこに答が存在するのでしょうか?
自分を信じられるようにすることが先決
バックエンドを買って損をした、と思う人は
自分の知らないどこかに答が用意されてあって
それを知ると楽に目的を達成できるようになる
という信念を持っている人のことです。
ところがこれが大間違い。
答えは外にあるのではなく
自分自身の中にあるのです。
それはリアルなビジネス含めて
どこにでもあるようなものです。
すなわち、
- 強い意思と情熱
- 合理性のある思考力
- 持続性のある行動
以上の3つになります。
なんだ、当たり前のようなことを言うな
と言われそうですが、かほどにシンプルなのですよ。
この3要素が欠けていると
外部依存になる傾向となります。
自分を信じていないのです。
だから、
何か自分の知らない楽勝のショートカットがどこかにあって
その恩恵によって成功するのだ、という
お花畑思考に浸ってしまうのです。
前述した3要素はビジネスをする人、
ネットビジネスでは仕掛ける側に人にとって
欠かせないと言ってよいでしょう。
欠かせない基本にして最重要なスキルなのです。
リアルなビジネス、例えば会社の中でもうまくいく人は
これらがおろそかでありません。
むしろ信念、こだわりとあきらめない行動によって
とてもしぶといことが特徴です。
しぶとい人は、どこかで自分を信じています。
だからこそ、そうなれる自分を作ることが
何より優先することになるのです。
バックエンドに答は存在しません。
あなたの頭と心の中だけにそれは潜んでいるのです。
バックエンド商品に答を求め頼るのではなく、
自分が答を出す覚悟と自信をもっていて
望む結果を出すためにバックエンド商品を
自分のプランに活用する
という考え方でないときっと後悔します。
頼るのではなく、
使うのは自分であり、
使い倒すのだということです。
そうするためには、
自分の具体的な計画があって
そこにいかにバックエンドを落とし込めるか、
といったように自分が主人であるという発想を
もっていることが欠かせません。
なお私はバックエンド商品を否定するのではありません。
価値を感じる一部の人にとっては、非常に効果があるのも知っています。
ただ初心者さんには特に気をつけて欲しいのです。
ただでさえコロナ禍で、あなたの本業も何等かの影響を受けているでしょう。
そんななかで、長期間に渡り許容限度を超えたクレジットカード返済や
借金返済によって、自分と家族など大切な人を
巻き添えにして欲しくないというのが私の願いです。
初心者さん、またほとんど思考も手も動かせていない方、
こういった方々はバックエンド商品に飛びついても
期待する成果を出すのは正直とても困難です。
バックエンドで成果を出せるならば、
今、成果を出しているか、そうなりつつあるか
どちらかで無いと、ある時点から面倒になり
同時に手を動かすことも終わってしまうのです。
私が知る限り、残念なことに例外はありませんでした。
やるぞ!と自分への誓いがみるみるうちに
しぼんでしまい、残ったのは毎月数万円の支払いだけ
という人を嫌と言うほど見てきました。
私はフロントエンド商品もバックエンド商品も
十分に知り尽くし、且つそれらを自ら作り販売している立場でもあります。
それを知っているからこそ、できるだけありのままに
このシビアな現実をお伝えすべきと考えて記事にしました。