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検索エンジンもSEOも消滅!?~Googleが非常事態宣言出したChatGPTという衝撃

2023年1月27日

非常に興味深いだけではなく衝撃的なニュースを見て、個人的見解も加えて共有したいと思い、
少し長い記事ながらも、このページに辿りついた方にとってご参考になれば幸いです。

この記事は、主にネットを介してビジネスを行う企業や
個人事業主にとってのインパクトに焦点を当てて記載しました。

ネットで活動する人のほとんどの方にとって
常識が覆されるかもしれない予感
を秘めています。

なにしろ、あのGoogleが最大の危機感を持ち始め、
非常事態宣言を社内に発布したというほどのインパクトです。

OpenAIのChatGPT

「OpenAIのChatGPT」???
なんかの呪文か、と思われたかもしれませんね。

それより次の問いかけが近未来に現実となったら
あなたはどう受け止めますか?

『検索エンジン』がある日から無用になる!?

そうなると当然ながらSEOという概念自体も消滅します。

そうなる日が来るかもしれない・・・
その先鞭をつけたのがOpenAIのChatGPT

OpenAIとは人工知能(AI)技術の開発を行う非営利組織です。

厳密にはカリフォルニアにある非営利法人OpenAI Inc. と
傘下に事業推進のための営利法人OpenAI LPを持つAI研究所です。

2022年11月末にOpenAIがリリースした対話に特化した
チャットアプリケーションとそのサービスがChatGPT。

GPTは、Generative Pre-training Transformerの略です。

といってもなにそれ?となりますね。
汎用性のある文章生成の機械学習モデルとでも呼ぶべきか。

ともかくChatGPTリリースから本記事投稿時まだたった2ヶ月弱に関わらず
世界中で大騒ぎのニュースが続いております。

ChatGPT出現による予想される未来、と言いますか
まだ可能性のひとつに過ぎませんがともかく
そのもたらす「衝撃」度合いがでかすぎるからです。

ネット上で、誰もが疑うことなく常識と考えていたことが
覆される可能性を秘めているのです。

ChatGPTについて大きなリアクションを出したのがあのGoogleです。
Googleは生存危機とも言えるほどの大きな危機感を抱いているようです。

検索エンジンとChatGPTの違い

Googleはなぜ危機感をもったのか?

超ビッグでエクセレントカンパニーであるGoogleのことだし、
オレには全然関係ないよ・・・

と思われたかもしれませんが、実は・・・
ネット上で収益を得る、得たいと考えるほとんどの企業や個人事業主に直結する話です。
だからこそ記事にしております。

さて、Googleは広告に大きく依存するビジネスモデルであり、
そのモデルが根幹から覆されるリスクを感じたからと想像できます。

またGoogleもChatGPTのような研究を続けてきたと言われますが、
それほど本気ではないようです。

チャット型のAIが出すアウトプットには正確性の面で課題が多く、
あえて投資してこなかったのかもしれません。
(正確性の課題については後ほど解説します)

逆にGoogleの動きと違い、ChatGPTに投資を100億ドル超えで行っているのがMicrosoftです。
Microsoftのプラットフォームや製品に組み込み世界制覇を目論んでいるような気がします。

さて誰もが、
検索エンジンのアウトプットはなにか?
についての答を知っています。

検索したキーワードをもとに、ニーズに応える最も有益そうな
Webページ(サイト)を示すことです。

これに対してChatGPTは、

知りたいことの答をダイレクトに表示します。あたかも人間が答えるように。

ここですポイントは。
ここに答がありますよというWebページを出力するのではなく、
いきなり知りたいことの答はこうです、と出てくるのです。

Googleが非常事態宣言を出したニュース

こちらのPresident Online記事をご覧ください。
(Yahooニュース含めあちこちで話題になっています)

下矢印
グーグル幹部は非常事態を宣言した…ネット検索を根本から変える「ChatGPT」の恐るべき可能性 宿題、贈り物、未来予測…すべてAIが答えてくれる | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
グーグル幹部は非常事態を宣言した…ネット検索を根本から変える「ChatGPT」の恐るべき可能性 宿題、贈り物、未来予測…すべてAIが答えてくれる | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

インターネット検索の常識が、近い将来、塗り替えられることになるかもしれない。昨年11月に公開された「ChatGPT」と呼ばれるサービスが、検索エンジンの常識を変えようとしている。ChatGPTは、チャ ...

president.jp

この対話型AIサービスの凄さは、質問したらその答をボソッと出すだけではなく
かなり詳しく説明してくれる点です。

えっ!そうなの?
というくらいまで。

まだ完璧とはいいがたいものの、回答文がやけにリアルで
だったら、検索エンジンいらないじゃん!

という恐るべき可能性を秘めている予感がします。

検索エンジンシェア92%と言われるGoogleがCode red(非常事態)を宣言した、
と2022年12月最初に報じたのはニューヨークタイムズでした。

ChatGPTを使ってみた

AIチャットボッドについては、物販サイトなどで
「24時間、AIロボットがお答えします」
とチャットを促すような仕組みをご存じの方は多いはずです。

私も、迷ったらときどき利用しています(正しくは利用を試みます)。
しかし正直なところ満足のいく答が返ってきて、一件落着というケースはほとんどなく、
結局はオペレーターとの電話で何とか解決する、という状況です。

この手のAIチャットボッドは、顧客の質問にしっかり答えることを目的としていません。
あまりに単純な、どうでもよい質問やクレームをあらかじめできるだけ排除したいのだと思います。

オペレーターの負担を減らし、一方で多くの直接会話を増やし顧客サービス満足に繋げる作戦ですね。

その意味でも、ChatGPTはこの種の使い物にならないAIチャットボッドとは比べようがありません。

実際に試してみたのでご紹介しますね。

まずChatGPTのログイン画面がこちら。
ご興味あれば画像をクリックし「Sign Up」よりアカウントを作成してみてください。

一応ご参考に、ChatGPTアカウント作成はこちらのQiita記事がわかりやすいです。

ChatGPTの管理画面は英語ですが、質問と応答は普通に日本語で対応できています。

質問を入力すると、応答は瞬時に表示されるのではなく、
パタパタと人がキーボード入力しているようなスピードで表示されます。

カーソルが動く様子はまるで初期のゲーム機のようにまどろっこしさもありますが、
受け止め方によっては考えながら答えているような雰囲気とも言えます。

ためしに「SEOとはなに?」「コンテンツ販売」と入力したところ、
このような応答がパタパタと出てきました。

是非、ご自身でも試してみることをおススメします。
体感することが未来の予感に繋がります。

AIについて~騙されないためのTips

ここで横道に入って、AI(人工知能)について少しだけ補足したいと思います。

私KENBOがこのニュースに心を動かされた理由のひとつでもあるのですが、
もともとシステムエンジニア出身でもあり、ここ数年間は
複数企業間で進めている某AIシステム開発にも関わっています。

ネットでもビジネスしながら二足の草鞋、三足いや五足くらいの草鞋を履いており
何が本業か自分自身ですらわからない状況ながら、少なくとも
一般の方よりAIについてはかなり詳しい立場にいるという自負があります。

AIについて知っておきたいこと

今は2000年代から始まった「第三次AIブーム」に突入と言われております。

つまり一次、二次と歴史があって今ようやく本格的に
人々がAIについて実用性を認め、いたるところで活用される時代になってきました。

理屈は抜きにして、第三次AIでは自然言語、音楽、会話、画像その他いろいろとジャンルがあるものの
人間の脳を模倣したような働きをします。
ディープラーニング(深層学習)という用語はお聞きになったことがあるでしょう。

AIを機能させるために基本的な流れがあって、

  • AIに学習させるためのデータを集める(教師データと呼ばれます)
  • AIに学習させる(教師データの出来不出来で”頭”の良さが変わります)
  • AIに推論させる(AIを実際の利用場面で動かす)

要するに学習用に最適なデータを集め(アノテーションとも呼ばれますが結構大変な作業です)、
集めた教師データで学習させ、つまり賢くさせながら現場で運用します。

教師データはどんどん追加され、改善されることでAIのアウトプットも変化します。
(なおここでは省略していますが、AIの基本的なアルゴリズム=実際の処理プロセスにも
いろいろあり、極めて重要ながらも話がややこしくなるので割愛しています。)

さて、ここでAI全般について言えることですが、重要な点が二つあります。
一般の人があまり理解されていない点のようにも思うのですが、
実はAIの本質を理解するためにはとても重要です。

  • AIが出すアウトプットはそもそも100%完璧では決してない
  • AIがどのようにそのアウトプットを出したのかを知ることはほぼ不可能

まず一番目のアウトプットが100%正しいとは決して言えない話。

この点は人間の行うこと、考えることと似てますね。
いかにAIの答がそれらしく見えても、100%保証というのがありません。

ただ教師データの品質など学習させるインプットを最適化することにより、
答の精度がアップしていきます。
確率論のように「答が正しいのは〇〇%」というのがAIのアウトプット。

ただ完全でなくても実用上は、人の判断力、スピードよりも
すでに凌駕しているのが今の時代のAIとも言えます。

Googleは信頼性が担保できない不明確なアウトプットの見せ方を嫌ったのかもしれません。
それと何より広告収入がこのモデルを成立させている大黒柱ですし。

だからこそ、今の検索エンジンモデルのように明確なアウトプットを示すため
利用者に最も有効なWebページを表示するシステムにこだわったのかなと。

二番目の「どのようにアウトプットを出したのかを知る」のは極めて困難という話。

一般的にコンピュータシステムでは、何か障害が発生した場合に
その原因をプログラミングしたコード上で追跡し、
「あっ、ここにバグ(bug)を見つけた!」
とかでその対策を行う(bug fix)という流れが普通です。

要するに時間、工数などがどれほど大変かはともかくとして、
丹念に探せば障害の原因を突き止めることが可能です。

言わんとしていることは、どのような問題が起こるにせよ、
すべて人間のコントロールのもとで原因と解決策を見出すことが可能だということ。

ところがAIはやっかいです。

現実問題として、AIがどのようにその答を導き出したのかがわからないのです。

AIに教師データをインプットしどんどん学習していくと
AI自らが判断基準を作るということになります。

ここがポイントになります。
AIが何を学びとったのかは、もはや人間のコントロール下に無いのです。

AIの判断の根拠が分からない・・・

そうなんですよ。
普段、何気に見聞きし利用しているAIですが、
ディープラーニングを特徴とする今の時代のAIは、
「どうやってその答を出したの?」

ということについてAIが自らやっていることであり、
人のコントロール下にありません。

これをAIのブラックボックス問題と呼んでいます。


ということで、
AIは万能ではない。そして
AIにはブラックボックス問題が存在する。

ということをご理解ください。

完全ではないが、ほぼほぼ正解に近いものを
人間の処理スピードを超えて提供してくれるのがAIです。

因みにSF映画でよく見受けられる話として・・・

例えば映画ターミネーター(シリーズ)ではコンピュータネットワークシステム(=スカイネット)が
自我を持ち、人間を敵とみなすところが出発点になっています。

ブラックボックス問題を思うにつけ、
果たしてAIが自我を持つかどうか・・・
哲学的な問題でもありますがあながち否定できない怖さも秘めているように感じます。

AIを謳う商品に騙されない方法

視点を変えてネットで稼ぎたいあなたに向けて、
AIを謳う商品についてのちょっとしたTipsです。

ネット商材で「AI」をアピールしているものについては要注意です。

ここまでの話で薄々お分かりになっているかと思いますが、
AIはそれを専門にしていない個人事業主や零細企業が手におえるものではありません。

AIという単語がLP(販売ページ)などで出てくると、
なんだかすごいかも・・・と思うかもしれませんが
ホンモノかどうかを見破る手段はいくつもあります。

誰でも簡単にできる方法として、販売者に次のように聞いてみましょう。

「AIの教師データをどのように収集し、また精度アップのためどんな施策を打っているのか?」
「AIの結果がわかる複数のサンプルデータ(画像でも音でも自然言語でも何でもよい)を見せて欲しい」

サンプルデータは「AIが活躍するという」その商品に関係するジャンルを選びます。
例えば自然言語(テキスト)、音楽、メール(今は添付ファイルの中身も解析できます)、画像、動画などなど。

商品が関係するジャンルで、「AIが活躍して」何がどう変わるのか?を
AIが機能し続ける(=学習を繰り返し常に賢くなる)ための材料集め・加工(=教師データ作成と入力)
をどんなふうにやっているのか?ということ。

要するに、AIが無い場合とある場合について、Before/Afterのような感じで
結果(サンプル)を見せてもらうことです。

また教師データを集める、作成することは自動化も進んでいるものの、
現場では相当に大変な作業のひとつになります。

こういった問いかけに真摯に答えられない、もしくはしどろもどろになるなら
その時点でその販売者はAIについて無知と言えます。

つまりAIをよく理解してしっかりそれを活かしておりアピールしているのか、
それともAIという単語を使って売りたいだけなのか、これだけで判断できます。

何年か前に、ある人が「AIがあるんですぅ!だから買いなさい!」と叫びながら
メルマガで情報商材をプッシュしているのを見たときは正直吹き出しました。

あなたも気をつけましょう。
AIという単語で惑わされないように。

ChatGPTは検索エンジンに取って代わるのか?

さて話を戻して、ChatGPTの出現によってこれからどうなるのでしょうか?

可能性のあるシナリオとして三つありそうです。

  • ChatGPTが制覇する(検索エンジンは淘汰される)
  • 検索エンジンが勝利する(ChatGPTは広がらないで終わる)
  • 両方が棲み分けして並存する

Googleは非常事態宣言を出し、Microsoftは莫大な投資をしてChatGPTに賭けています。

ChatGPTが非営利法人という仕組みなので、世界から多くの協力を得やすいとも言えます。
OSの世界でLinux、CMS(Content Management System)ではWordPressといずれも
オープンな環境を提示していることでデファクトスタンダードになってきました。

さて、ChatGPTはどういう位置づけになるでしょうか?

多分、誰もわかりません(笑)

ならばと、ChatGPTに聞いてみました。
無難な返事ですね。決めつけていない点が憎い。

もう少し突っ込んだ質問をしてみました。
「ChatGPTは検索エンジンに代わるか?」

おお!謙虚な答ですね。
これをさらさらと答えるところが何ともニクイ(笑)

あなたももっと鋭い質問をしてみてはいかがでしょうか?
どこから回答を捻りだしているのか興味が沸いてくれば・・・
それがまさにAIの本質に迫っていることにもなります。

フェイクとの戦い~私たちが備えるべきこと

ChatGPTと検索エンジンとの戦いがどう進むにせよ、
すでに今でも大問題になっていることでさらに加速する懸念がある問題。

それはフェイクへの対応です。

情報が正しいものなのか、それともフェイクなのか
見極めが非常に難しい時代に突入しました。

今の時代、国内では情報弱者はかなり少なくなってきているなかで
情報リテラシーに明るく、そんなものに騙されないよと信じる人にとっても
情報が真実かどうかを判断することがどんどん難しくなっています。

特にAIのディープラーニングを駆使した
ディープフェイク
という技術ですが、思わず信じてしまうほどパワーがあります。

このTiktok動画はディープフェイクのサンプルとして有名なひとつ
見ればわかります(笑)

下矢印
TikTok - Make Your Day
TikTok - Make Your Day

www.tiktok.com

出てくるのはもちろん、トムクルーズではありませんよ。

悲しいことに今も進行中のロシアによるウクライナ侵攻において、
情報戦、プロパガンダとして巧みに利用されているようです。

AIの先端技術が悪用されている典型をそこに見ることができ、
残念で且つ歯がゆい思いです。

さて、現レベルのChatGPTでも明らかにおかしいと思う答
堂々と自信満々に
回答することがあります。

というか人間と違って、ためらう様子なく回答を吐き出します。
その様子にうっかり無条件に信じ込んでしまうリスクも生じます。

私はAIに関連する仕事の末端にいるせいか、やはりこの先の
AIの進化
について関心を持たざるを得ません。

その未来を表現する予言、可能性のひとつが、
シンギュラリティ(Singularity)
という言葉に秘められています。

シンギュラリティ(Singularity:技術的特異点)とは?
AIがさらに優れたAIを再帰的に創造していくことで、
人間を完全に超える圧倒的に高度な知性が生み出されるとする仮説を示します。

ご興味ある方はこちらのITmedia記事にわかりやすく載っています。

シンギュラリティ(Singularity:技術的特異点)とは?:AI・機械学習の用語辞典 - @IT
シンギュラリティ(Singularity:技術的特異点)とは?:AI・機械学習の用語辞典 - @IT

用語「シンギュラリティ」について説明。人工知能がさらに優れた人工知能を再帰的に創造していくことで、人間を完全に超える圧倒的に高度な知性が生み出されるとする仮説を指す。

atmarkit.itmedia.co.jp

実際、日々AIに携わっていると、
「こいつは相変わらずバカだなぁ」(これは低レベルな教師データを与える側の問題)と思うときもあれば、
「なんでこんなことまでできるんだ!?」
と驚くこともちょいちょいあります。

シンギュラリティは2010年代にも著名人の間でも
(ビル・ゲイツやイーロン・マスク、孫正義など)話題になりました。
すでにとっくに人間を超えている(アルファ碁がその事例)感触もあります。

孫正義さんについては2016年当時の講演がとても印象深かったので
こちらに記事にしております。(レイアウトなど一部更新)

シンギュラリティと血を欲しがる世界~孫正義さんのARM買収とはなにか? - インフォレビュー(INFOREVIEW)
シンギュラリティと血を欲しがる世界~孫正義さんのARM買収とはなにか? - インフォレビュー(INFOREVIEW)

この記事では、ギチギチに硬い話をしております。しかもこってりと長い悪夢のような話です(笑) なんの話かというと、大きくニュースにもなっているソフトバンクがARM(アーム)社を買収した話に関係するのです

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AIはすでに生活に入り込んでいてこれ抜きでは考えられず、
無いと非常に不便、快適性、安全性が損なわれると誰もが無意識に感じる時代です。

しかも日々、24時間フルに学習を続けても疲れません。
もう手におえないくらいに賢くなっているのが実態です。

こういうなかにあって、事実かフェイクかを見誤ることなく
生きていけるのか?
(私にはその自信がありません)

いやはや本当に難しい時代になりました。