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「AIコピペ」ツールを紹介しないワケ~生成AIの戦国時代を知ると分かる

2024年5月18日

久しぶりに記事を書いております。
実はGW中に一度トラブっていて解決したはずの
某企業でのAIシステム開発で潜在バグが残っていて
それの対応に毎日追われておりました。

といっても、手を動かしてプログラミングしているわけではなく、
エンジニアたちの仕事が進むように差し入れし機嫌を取ったり、
イライラをぶつけたりとしょうもない役目です😞

この2週間ばかりの間で私にお問い合わせいただいた方々へは
個別に返信済ですが、この生成AIに絡んで
ユニークなご質問があったので回答含めて共有いたします。

一見どうでもよさそうな内容ですが実はかなり奥の深い話です。

まずご質問は;

『KENBOさんの"AIアシストアフィリエイト"ではChatGPTの活用方法を紹介していますが、
もっと便利なAIコピペツールなどを使わないのは理由があるのでしょうか?

"AIアシストアフィリエイト"とは、これのことです。

下矢印
AIアシストアフィリエイト
AIアシストアフィリエイト

物販アフィリ/情報(インフォ系)アフィリの両方にChatGPTを正しく活用して成果を出す教材【AIアシストアフィリエイト】の紹介

ai-asst-aff.com


このご質問はかなり鋭いポイント突いています。

答えは

『もちろん理由があるからです』😀

となるのですが、生成AIに関係する世の中の状況を踏まえて
立派な理由があるのでここで具体的に順にご説明いたします。

便利そうでも”AI”コピペツールを使わないワケ

先に、ChatGPTを"AIアシストアフィリエイト"で
選択している理由から説明しますね。

その最大のポイントは;

AIアシストアフィリエイトでChatGPTを選んだ理由

  • 何より生成AIの先駆者として技術/サービスとも先を行っている
  • アフィリエイトやコンテンツ販売の目的のためであれば
    無料版(ChatGPT3.5)で必要十分なアシストが得られるため

という点です。

ただ私は、
ChatGPTアウトプットの『コピペ』は全く推奨していません。

販売ページにも記載していますが、意識しているかどうかに関わらず
生成AIの性質から、結果的に人を騙す行為につながりやすいからです。

いわゆるハルシネーションと呼ばれる生成AIならではの特性で、
堂々とウソをついてしまう(ChatGPTにはその認識がありませんが)
という問題がいつもつきまとうためです。

それ以前に、AI記事はやはり不自然さがぬぐえないので
私はそこから何かを買うとかは絶対あり得ないと自覚していて
同じ意味でコピペを勧めておりません。

実際のところ、「AIコピペでそのままブログ記事が作れる」というのは
事実ではあっても「だからなに?」で終わってしまうものです。

AIコピペツールを紹介(アフィリエイト)している人も、
自分自身で研究し尽くして紹介する人はほぼいないでしょう。

また次の話にも関係してきますが、AIコピペツールは
ことごとくChatGPTのAPI(=Application Programming Interface)
を使ったものであり、要するにそのAPIを使った小規模の
アプリケーションソフトに過ぎません。

これで儲かるぞと思っている個人~小企業がこぞって乗り出していますが
AIの革新が他技術と異なり階段状に進化していて、今日リリースしたものが
明日には陳腐化する、といっても何の不思議もありません。

つまり現状は、ChatGPTのAPIを使う古いツールが
どんどん新しいツールに「上書き」されている世界なのです。

よって、どうしても何らかのAIコピペツールを購入したいならば
提供している大元が、どれくらい先のアップデートまで
対応してくれるのかをよく聞いてからが良いと思います。

要するに他社から「上書き」されても
またそれを上書きする力(技術、資本力と事業計画など)と
それだけの根性があるかどうかが勝負です。

他社のAIコピペツール製品を常に「上書き」できる力を備えていないと
一瞬で無価値となってしまうのが今のAI業界です。

ほとんどの人にとっては、買ったあと使おうかなと思ったときには
他社がそれより良さげなものを出しているのに気づき
目移りするんじゃないかと想像しています。

一般論で言うなら、上場企業またはAIを事業の重要な軸に
置いている売上が年間100億程度はあるSIer(System Integrator)
あたりなら環境に合わせアップデートがある程度は続きそうという感触ですが
個人向けに「コピペツール」を提供するのもあり得ないように思います。

いずれにしてもそれくらいに激しい新陳代謝が進んでいる
極めて特殊な業界だということをご理解ください。

ChatGPT=クローズド Llama=オープンの戦い

せっかくなので、もう少し生成AIの分類などに触れます。
これが将来を決するかもしれないと思うからです。

ChatGPTのような自然言語生成AIを専門的には、

LLM(Large Language Models 大規模言語モデル)

と呼んでいます。

AIという言葉よりも機械学習モデルという言い方が正しい。

さてこのLLMには世の中への提供方法として
二つの考え方(陣営)が存在しています。

クローズド型か、オープン型か
という話です。

クローズドとは、その世界の中でAPI含めたサービスが閉じていることで
ChatGPTは実はこちらに属しています。

GoogleのGeminiもこちらのクローズドのグループです。

一方オープンとは、オープンソースという意味で
クローズドに対抗して情報公開を前提に
世界中の人が一緒に育てていきましょうや、
という考え方でMeta(旧facebook)の「Llama」がオープンの代表格となります。

クローズドとオープンでそれぞれにメリット、デメリットもあり、
また支持派、反対派もそれぞれにいます。

今、生成AIの生き残りを賭けて各社がしのぎを削っている状況です。

ちょっと昔の話となりますが、
Windows(クローズド) vs Linux(オープン)
の戦いと似ていて、現状はご存じの通りどちらも棲み分けのうえ落ち着きました。

生成AIの戦場では、もちろん今のところChatGPTが優勢になっています。

ただこの先はどっちが最終的な勝利を得るかはわかりません。

その背景と言いますか、今進みつつある生成AIに必須のエンジンである
「ハードウェア戦争」が裏で進んでいる事情があるのです。

AIのエンジン:Nvidia vs Groq他多数の戦い

Nvidia(エヌビディア)というのはアメリカにあり
GPUを開発・販売している企業でして、この企業台頭から
日本の半導体産業が没落し始めたのを私はよく覚えております。

なぜならはるか昔、「打倒Nvidia!」と勇んでいた職場で
エンジニアとして頑張りつつも没落を同時体験していたからです。

それはどうでもいい話として、Nvidiaは今や
世界No.1のGPU提供会社であり、GPUはAI推論では
欠かせないエンジン(ハードウェア)です。

GPUとは、Graphics Processing Unitの略でして文字通り
グラフィクス(画像)の演算処理専門屋として
普通のCPUを補助するような形でゲーム機なんかでよく使われています。

CPUが連続処理を得意とするのに対して、GPUは並列処理が得意で、
AIの世界では並列処理のかたまりのようなものなので重宝されているのです。

ChatGPTも、GoogleもMicrosoftもできるだけ
多くのGPUを仕入れようと争っています。

なぜなら、そのGPUの数が多ければ多いだけLLM性能がアップ
することも証明されているからです。

で、今まではNvidia一社がAIのエンジン市場を制覇していました。

そこにGPUとは違ったアーキテクチャでAIの性能を
もっとアップできるぞと現在多くのベンチャー企業が
Nvidiaの市場を奪おうとしています。

その一つがGroq

Groq is Fast AI Inference
Groq is Fast AI Inference

The LPU™ Inference Engine by Groq is a hardware and software platform that delivers exceptional comp ...

groq.com


Groqは元Googleにいたエンジニアが立ち上げたベンチャーですが、
AIの最も重要な機能となる「推論」部分を
GPUとは違うアプローチで解決しサービスを提供しています。

「推論」とは、ChatGPTで言うならプロンプト入力したあと、
返ってくる返事の内容、品質、スピードそのものと理解するとわかりやすいでしょう。

Groqが今、急成長しているのですがこの理由は、
クローズドなAIではなく、LlamaのようなオープンソースのAIを
自前のハードウェアに取り込んで、ライバル以上に
高性能な生成AIサービスを提供できているためです。

ChatGPT、Microsoft、GoogleなどがGroqのエンジンを購入して
使うようになればまた話は変わりますが、そんなに簡単に
導入してくれるわけもなく、Groqとしてもオープン型のほうを
活用するのはビジネス的にも自然と言えます。

Groqだけではなく、おこぼれというか今がチャンス到来と見た
数多くのベンチャーがこういったオープン型のAIを狙って
専用ハードウェアを開発して市場参入を図っています。

そうなると、Llamaのようなオープン型の生成AIのほうが
Groqのような企業に応援されて技術革新のスピードも速く、
一方でクローズドな生成AIはやがて技術革新スピードに追いつかなくなる時代が来るかも。。。

という予感がします。

そうなると断言している人も業界に多くいます。

というわけで生成AIの戦国時代は、アルゴリズム(ソフト)を提供している
GAFAMだけではなく、GPUを追い落とそうとするハードウェアの世界においても
これからもっと激しくなってくると予想できます。

なんにせよ、目の前に出されたAIコピペツール程度であれば
どんどん「上書き」され淘汰が続くはずです。

そんなものに目の色を変えて欲しがるよりも、
人間ならではのアウトプットを大切に考えるべき
というのが私の考えです。