この記事は投稿の約半年前に某雑誌会社より委託を受けた
「GPSとBluetooth腕時計に関する細かいレビュー」をもとに当ブログ用に簡単に再編した内容です。
ブログを長く運営していることと、且つ実業でのいろいろな繋がりもあって
都合が合えばライターとしての仕事もお受けしています。
この記事は、委託元の事前了解を得て内容的には原稿に近い内容を
できるだけ一般の方に通じるように再編したつもりです。
また以下に使っている画像は、借用した時計を手持ちのスマホで
撮影したものであり前記雑誌記事のものとは異なります。
(この点では私は完全素人なのでご了承ください。)
で、何を書いているのかというと腕時計でどれを買おうかと悩む方に向けた話で
尚且つその中でも割とニッチな趣味的な領域となります。
タイトルに書いたように、
GPS腕時計か?Bluetooth腕時計か?
そこで悩む人向けの方向けなのでご興味なければスルーしてくださいね。
悩みのポイントがど真ん中当たる人には
それなりにご参考になるやもしれません。
評価・比較モデルはAstronとOceanus
細かく評価したのは、GPS ソーラーウオッチの代表選手として
SEIKOのAstron 5XシリーズのSBXC003(以下がスマホで撮影した写真)
次に、Bluetooth対応ソーラーウォッチとしては
CASIOのオシアナス Mantaシリーズの中での15周年記念限定商品
OCW-S5000C-1AJF(以下が同様にスマホで撮影したもので新品でした。)
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BluetoothについてはCASIO G-SHOCKシリーズの
MTG-B1000-1AJ(同様に素人のスマホ撮影)も機能面で評価しました。
現物ではこの3品となります。
店頭での確認および仕様書ベースとなりますがGPS機能面で他には
エプソンのTRUMEおよびシティズンのATTESAについても後ほど触れております。
そもそも腕時計に何を求める?
いきなり哲学的な話のように聞こえたかもしれません。
腕時計は今の時代、極めて趣味性の高いグッズであると言えます。
例えば・・・
機械式(メカニカル)がなんといってもいい!
GPS時計が流行りのようで欲しい!
スマートウォッチのほうが絶対便利!
ごつくて20気圧防水のG-SHOCKがかっこいい!
デジタル時計でないとダメ(逆にデジタル表示はいや!)
スマホがあるから腕時計は不要!
スーツに合うものがいい!
アウトドアに向いたものがいい!
・・・
これらはすべて主観的なものです。
その人の好みの問題です。
この後で述べる話はできるだけ客観性をもって
記述しておりますが、せっかくなのでここで取り上げた製品について
私自身の印象を述べておきたいと思います。
今回採りあげた商品は、CASIOのMTG-B1000-1AJFを除いて
実勢価格が20万円前後のものばかりです。
(評価基準でバラツキを抑えるために近い価格帯としました)
で。。。
SEIKOのAstronですが・・・
こちらは「時計屋さんの作った腕時計」
だなぁとつくづくその造形に感慨深いものを感じます。
この対極としてCASIOのオシアナス マンタは・・・
「エレガンス・おしゃれ感・遊び心を追求」
している腕時計だと感じます。
シティズンのATTESAにおけるGPS腕時計は
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ブラックチタンもそうですが、やはり時計屋さんの発想で作られた
質実剛健な雰囲気があります。
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エプソンのTRUMEは後発ながら
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ベルト交換での選択肢を増やし、且つ
アウトドアで映えるような作りに仕立てています。
素材もステンレスであり、180から190gという重さが
ずっしりくる感じです。
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SEIKO Astron 5Xシリーズの機能メリット
GPS腕時計というものは、従来は縦横のサイズおよび厚みとも
大型化で知られていて、これがネックのひとつでした。
(GPSアンテナ部品がどうしてもスペースを食ってしまいます)
今回評価したSBXC003は、5Xシリーズの数ある製品のうち
最初からリリースされている標準仕様のものです。
ケースサイズは、
厚さ: 12.2 ㎜
横: 42.9 ㎜
縦: 50.7 ㎜
数字で書くとピンとこないかもしれません。
同じGPS腕時計であるTRUMEの場合、
縦57.2㎜×横45.9㎜×厚さ15.5㎜(ボタン・りゅうず含まず)
ATTESAでは
縦横44mmであり厚みは15.1mm
これらと比べると、SEIKOのSBXC003は
「ちょうどよい大きさ」に収まっている点が特徴です。
TRUMEやATTESAは、本記事投稿時点では厚みが15㎜超えとなり
これはややごついG-SHOCKクラスと同等です。
これは物理的なスペックの差異ですが、多くの人にとって
使いやすい、圧迫感の無いサイズであることは間違いないと思われます。
それ以上に特筆すべきことがあります。
それは、GPSでの時刻合わせ、タイムゾーンが変わったときの時刻合わせとも
いわゆる通常の電波時計と同様に従来はそのための所要時間が
「分単位」だったのを「秒単位」に変えたことです。
いわばGPSは条件や環境によって時刻合わせが
やたら時間かかる・・・というストレスを無くしたことです。
もうひとつの特徴として、「高速タイムゾーン修正機能」がやばいです。
これは受信性能に関わる全ての部材を見直して、
3軸独立運針(時・分・秒針独立モーター)時刻修正時の運針速度を
劇的というくらいに高速化しています。
これで何が嬉しいかというと、例えば日本から外国に出かけたとき
現地での時刻と日本時間を2時と4時にあるボタン同時押しで
一発でメインとサブダイアル切り替えができること。
これまでは現地時間との切り替えでは
時針・分針・秒針がシーケンシャルに動作するので
だいたい数十秒から分単位というレベルで待ち時間が発生していたのです。
5Xシリーズは2018年に投入され、以降は同じキャリパーで
ベースモデルのチタンからステンレスモデル、さらには
50周年の世界30本限定モデルであるSBXC036(税抜き300万円です!)
までさまざまなエンハンスモデルが存在します。
SEIKO Astron 5Xシリーズの機能デメリット
単純に、GPS衛星が捕捉できる場所にいないと
時刻合わせができないことです。
この問題は、ひらけた場所で空が見える場所にいれば
解決できます。
またGPS衛星が捕捉できる場所であっても
環境などによって時刻合わせが完了するまでの
時間が決まっておらず失敗することもありえます。
GPS補足性能は各社、また各製品によっても異なるようですが
数値化された公開情報はありません。
Astron 5Xシリーズにおいては時刻合わせのみならGPS衛星1基でOK、
タイムゾーンを超えた場所でのサマータイム含めた時刻合わせには
GPS衛星4基以上が必要となっています。
CASIO オシアナスマンタの機能メリット
こちらはBluetoothモデルとして、OCW-S5000C-1AJF(前述の写真)
で説明いたします。
こちらはデザイン面で24面カットのブルーからグリーンに
グラディエーションで変わる文字見切り板の美しさに特徴があります。
時計屋さんと違った方向を目指していることが
これだけで分かりますが、さらに驚くべきはその9.5㎜という薄さ。
実際に、腕につけてみるとその薄さが従来の
オシアナスシリーズと比較しても際立ちます。
そして82gと軽い。
さてBluetoothと聞いて、「それ何の意味があるの?」
と思われた方も多いはずです。
Bluetoothの接続先は基本、スマートフォンになります。
スマホに専用のアプリをインストールする必要があります。
使い方としては、通常はスマホからではなく時計から
スマホに対して接続要求を行い、時刻合わせを行います。
時刻合わせは、タイムサーバーで行われます。
GPS腕時計と比べて時刻の正確さはほぼ変わりません。
逆にスマホでの専用アプリを開いて、時計に対して
各種設定を簡単にスマホ上で行うこともできます。
ここまででお分かりのように、スマホが生活に密着している人が
メリットを享受でき、この記事をご覧になっている方であれば
ほぼほぼすべての方がスマホを当たり前のように使っていると想像しています。
何が便利かといって、
時計操作なしでスマホいじるだけで事足りる点です。
もう少し詳しく説明しますね。
時刻合わせは、1日4回行われます。
時計からスマホに接続要求が行われるのですが
0時30分30秒頃、6時30分30秒頃、12時30分30秒頃、18時30分30秒頃の4回。
スマホが手元にあれば、概ね数秒(5秒~10秒以内)で
時刻合わせは完了します。
経験すると分かりますが、時刻合わせもさることながら
スマホを使ってのタイムゾーン・時刻修正などは超絶に便利です。
GPS且つBluetooth且つ電波ソーラーという無敵な商品もありますが
これが必要な人というのはかなり過酷な自然条件にいる人であり
通常はGPSまたはBluetoothのみで十分です。
それらで時刻合わせ失敗したら従来の電波による
時刻合わせで問題ないはずです。
スマホにインストールするアプリは
「Oceanus Connected」
時計登録(Bluetoothの接続用初期設定ですね)だけではなく
時計と接続した状態では、発電量や時刻合わせとその履歴確認、
さらに現在いる場所でスマホ操作で現地時間へ時計側の時刻合わせと・・・
これだけできるなら、時計にあるボタン(3つあります)は
不要ではないかと思いましたが、時計側からスマホへ手動で接続したい場合
やはりなにがしかのボタンなりが無いとできないな・・・と納得しました。
CASIO オシアナスマンタの機能面デメリット
ここはちょっと注意深くお読みくださいね。
スマホを持っていないと役に立たないというか
せっかくのBluetooth機能が活かせないのはすぐお分かりかと。
それ以外に知っておくべきことが2点あります。
このことはオシアナスマンタでもG-SHOCKでも共通する内容です。
第一に、よく言われることですがスマホ専用アプリは
常駐することになり、このことで消費電力がアップします。
つまりアプリが無いときと比べて、バッテリーの減り具合が
早くなる傾向であるのは間違いありません。
バックグラウンド動作で常駐しているためにそうなるのです。
目安としてSONY Xperiaで実験したところ、フル充電の状態から
アプリが無い場合に操作なしで90%程度の充電量に減るまでの時間で
アプリインストールしておくとこれがだいたい85%かそこらに変化しました。
第二の注意点として・・・
使っているスマホ機種とOSバージョンによって
1日4回行わるはずの自動時刻合わせが動作しないことがあります。
私が確認した機種ではSONYのXperiaでは問題なし、
サムソンのS8/S8+では自動の時刻合わせができませんでした。
サムソンのスマホにおいては、CASIOによる
遠隔サポートまで受けましたが
どうしても解決できないままでした。
どういうことかと言うと、OSであるAndroidの実装に関係するようです。
サムソンのS8/S8+においても、CASIOのアプリを起動したうえで
時計からボタン押して接続を行うと、普通に時刻合わせを正しく行えます。
しかし、アプリ起動しない状態では所定の時刻になっても
時刻合わせを行ってくれません。
スマホでアプリのバックグラウンド動作はしているものの
時計からのBluetooth接続要求に応答しないということがわかりました。
スマホ機種、OSバージョンとその実装状態によっては
せっかくの機能が使えないケースが存在するということです。
この第二の問題はスマホとの相性という点で未解決のままなので
是非とも店頭で手持ちのスマホでの実機確認行うことをお勧めします。
Bluetoohウォッチは、CASIOだけではなく
CITIZENの「エコ・ドライブ Bluetooth」シリーズでも販売されていますが
スマホとの相性についてはできるだけ事前実機チェックしてからのご購入を
お勧めいたします。(くどいようですが)
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正直なところ、サムソンとCASIOの両方にサポートをお願いしましたが
「Android実装に依存する問題」までようやくたどり着いたものの
今もって解決には至っておりません。
バックグラウンド動作中のBluetoothアプリへの接続が開始できない問題は
以前から散見されていたようでネット検索すると回避策として
いくつか見つかり、私としてはできることはすべて試したのですが
すべて失敗しました。
スマホを他社に交換(サムソン⇒SONY)したら
一発で普通に動作した、というのが実態です。