ChatGPTの能力にたまげて、このような生成AI(LLM:大規模言語モデル)を使い
さぁ稼ごうぜ!という意気込みをもったツールが
今やあちこち溢れてきたように思います。
生成AI使い方として、当ブログでもまた私の商品:AIアシストアフィリエイトでも
生成AIアウトプットの「コピペ」は無意味(無価値)であることを強く訴えてきました。
(※AIアシストアフィリエイトでのChatGPTアウトプットはあくまでアシストです)
生成AIは「考えているのではなく、言葉を並べているに過ぎない」
という事実も今では普通に知られるようになりました。
ただ言葉を並べているだけでも、それが絶妙なら
誰かが引っかかって買ってくれれば問題ないでしょう?
という主張もわかります。
巷の生成AIのAPI(Application Programming Interface)を活用したツールはまさに
そこを狙っているわけでして、その是非や倫理性をここで話題にしたいわけではありません。
もっと本質的な話として;
生成AIを用いた記事作成ツールのコピペにこのまま頼って未来があるのか?
を自問し、予測を立てて行動することについて触れたいと思います。
AIによるコピペ記事作成ツールでいくらサイトを作っても、
これから先それは途方もない無駄な努力、空回りする空虚な労働で終わる、
そうなるだろうと予兆が表れています。
また実際にコピペ量産のAIツールを作り販売している人やそれをアフィリエイトしている人は、
単に買う人がいそうだからそうしてるだけ、
と実は何も考えていない人がほとんどじゃないかと想像しています。
以上、AI開発の現場からのリポートです!
と終わる前にそう考えるワケをお伝えしたいと思います。
ChatGPTに抹殺される仕事
ChatGPTの出現以来、AIによって無くなっていく仕事の話題が多く、
国内では非常に関心をもっている方、心配されている方が多いようです。
この予兆は日本以外のところでは2023年からしっかり表れています。
NHK文化放送研究所のこの記事でも明らかですが、アメリカで
SNS時代の先駆けと言われたBuzzfeedのニュース部門閉鎖、
その後に続く若者向けWebメディアのVICE経営破綻など。
-
SNS時代の先駆けBuzzfeed News閉鎖-NHK
SNSを活用するデジタルニュースの先駆けとなった,アメリカのBuzzFeed News編集部の閉鎖が決まった。
www.nhk.or.jp
国内でも最近さかんに言われることが、PV(ページビュー)あたりの
広告単価の減少
です。
Buzzfeedの話と広告単価減少も実は結びついている話です。
この苦境に輪をかけて追い討ちしている存在が、
ChatGPTなどの生成AIなのです。
特にネットでAI使って稼ごうとする人にとっては、
破壊神として目の前に現れるかもしれません。
いったいどういうことかを解説します。
生成AI企業が目指す「AGI」
生成AI開発ではChatGPTを提供しているOpenAI以外にも、いわゆるGAFAMまたは
マグニフィセントセブンと呼ばれる世界の超大手のテック企業は言うに及ばず、
この牙城を崩すべくベンチャー企業の挑戦も活発になってきました。
AIのアルゴリズムを開発する企業はどこを目指しているのでしょうか?
そのキーワードは「AGI」
2024年2月に投稿した記事で簡単にご紹介しています。
-
OpenAIの動画生成AI"sora"とその先にあるAGI(汎用人工知能)がヤバイ - インフォレビュー(INFOREVIEW)
AIのマルチモーダル化とOpenAIのsora(動画生成AI)がもたらす未来を考えました
www.ifrv.net
思うに、今の生成AIはまだ赤ん坊か、幼稚園児のレベルと仮定しましょう。
これがどんどん進化していく先にAGI(またはASI)があり、
人とのやりとりもまさかAIとコミュニケーションしているとは
まったく意識できないほど自然な状況に向かうと予想できます。
2022年にChatGPTが登場してからたった1年か2年で今のような変化があるわけなので、
10年後は当然としても3年後、5年後にどうなっているかすら想像は難しい。
難しいが、AIが当たり前に生活に密着し浸透していることは違いない、と想像できます。
そうするとこの先1,2年の間においても、
人が何かを知りたいときの行動
も今までとはまったく違う世界になるかもしれません。
そのことは、生成AIのツールで「コピペで稼げた!」と喜んでいるなら
一瞬にして崩壊する、つまり売上が全く無くなる可能性が大です。
広告モデルの崩壊~Googleが恐れてきたこと
いくらChatGPTが大人気だからといっても、
これまで世界においてAI技術のリーダーはGoogleだと
私はメルマガや当ブログ内でも何度もしゃべってきました。
公開している論文数や技術者の層を見てもダントツと言えるほど
さすがにGoogleだと信じて疑いませんでした。
そもそも、OpenAIが提供するChatGPTにしても、Chatの後に続く
G=Generative
P=Pre-trained
T=Transformer
となるわけですが、このTransformer(トランスフォーマー)に着目。
Transformer(トランスフォーマー)とは
Googleが開発した深層学習モデルのことなのです。
すなわち今世の中にある生成AIの大半は、このTransformerを使っているので
生成AIの元祖と呼ぶべきはGoogleだと私は理解しています。
生成AIについてはGoogleは及び腰でもあったのですが、それもあってか
GoogleのAI技術のトップをOpenAIが引き抜いてChatGPTをリリースしました。
Googleはなぜ当初、生成AIのリーダーを目指さなかったのでしょうか?
それには当然ながらワケがあって、
Google自身のアキレス腱にあたる秘密があったのです。
実はこの話こそが、
生成AIのコピペで稼ごうとする努力は虚しいだけに終わる
ということに繋がります。
今、いや今まであなたにとってPCやスマホで「検索」することは
ごく当たり前に、検索をするという行為すら意識せずに検索していたはずです。
人の知りたいことを満足させるための道具としてGoogleは
「無料で使える検索エンジン」
を提供してきました。
無料で提供する代わりにGoogleが得るものが広告収入です。
GoogleもメタのFacebookも広告収入は収益全体の8割以上です。
アドセンス広告を使ったサイトを作ったり、
YouTube動画の再生回数を競ったり(広告収入に比例)して
広告クリック頼みの個人事業主も昔からあるスキームとして使っています。
それらの大前提になっていることが、
検索という利用者の行為
にあります。
つまり、「検索」してくれるからこそ検索結果と同時に表示される
『広告』の存在価値があるわけです。
これまで例えば、
「顧客に謝罪するメールのひな型が欲しい」
として検索エンジンを使うとしたら・・・
「ビジネス」「謝罪メール」「テンプレート」とかキーワードを並べ
検索エンジンで探し、表示された結果を閲覧し、必要な情報を理解する、
という流れが考えられますね。
次の図でその大きな流れを示しましたが、そこは広告ありきの世界であり、
抵抗はあっても受け入れざるを得ないというものでした。
ところがChatGPTを使って今でもすでにそうしている人がいるかと思いますが、
さらに生成AIが進化していくと、ChatGPTだけを使って完結できるよね、
とこれが普通になる可能性があります。
ChatGPTのプロンプト入力からアウトプットを閲覧、理解する過程では
広告は表示されませんね。
このとき、何が問題なのでしょうか?
それは生成AIのアウトプットに満足すると、
人はそれ以上に検索エンジンで探すことは無い、
つまりWebページを探し出して何かを見る必要がなくなることです。
生成AIのアウトプットだけで完結し、それ以上はもう見ない
ということが大問題なのです。
そうなると広告収入に頼るGoogleとしては死活問題であり、
また個人事業主として広告収入に頼るサイトも大きな影響を受けます。
Googleは生成AIについても技術的にもトップレベルでありながら、
ChatGPTに先を越されましたが、いずれ自身の広告ビジネスモデルに
大打撃を与えることをずっと以前から知っていたはずです。
自らが生み出した「検索エンジン」を筆頭に、
無料プラットフォームを提供する代わりに広告収入を得るビジネスモデルが、
今度は自らが先頭を走っているはずのAI開発競争で言語生成AI提供にひるんだのです。
生成AIを世に出すことはすなわち最大の収益源となっている広告収入ビジネスを
破滅させることになる、と自分で自分の首を絞めることを危惧していました。
OpenAI、Microsoft、メタ、Perplexityなどに先を譲ってしまい、
これではダメだと巻き返しを図っている状況ですね。
さて、今後個人事業主や企業でのサイト運営の場合でも特に、
ハウツーサイトなどは記事で特徴を打ち出すことが難しく
しかも生成AIの得意とする分野でもあるので壊滅的に打撃を受けると想像します。
表面的なハウツーは生成AIに聞いたほうが、整理し十分な情報量で教えてくれるので
聞く方も楽ですし、淘汰される運命にあると思います。
G7の閣僚宣言(2024年)と生き残る仕事
G7サミットが2024年6月13日~14日にイタリア・プーリアで開催されました。
このサミットでAI(人工知能)については、
”人権侵害などのリスクを軽減しつつ、AIの可能性を活用するために、
包摂性を促進する国際的なAIガバナンスの形成が必要との共通認識が示された”
とあります。
内閣府が公開しているG7閣僚宣言の「責任あるAIとAIガバナンス」資料
にポイントが載っておりますので気になる方はリンク先をご覧ください。
人権尊重、法の支配、民主主義、適正な手続き、技術革新の機会の活用、
これらはある意味、理想的なAI利用の仕方を論じてはいますが
実際にはさまざまな注意が必要なのは明らかです。
AI利用について特にEUは保守的です。
イタリアでのChatGPT制限に加えて、フランスやドイツでも
個人情報扱いについて慎重です。
EUではもともと域内の市民情報を「財産」と考えているからですね。
名前、メルアド、クレカ情報はこの「財産」にあたります。
その「財産」がEU域外に流出することを問題視しています。
EU 一般データ保護規則(GDPR)というルールがあります。
GDPR(General Data Protection Regulation)がこの財産流出を禁止しています。
その意味で、生成AIがそのデータ運び屋になることも警戒しているわけです。
このように生成AIは今後、進化と同時に制約も少なからず
同時に適用される技術だと言えます。
(フェイクニュース、軍事利用にもどれほど大きな影響をもたらすかを
誰もが知っているはずですので。)
今のところは生成AIは単に言葉を探し並べているだけのものですが、
すでに語彙数や知識について生成AIと争っても負けると思います。
しかし生成AIでは出せない味、そのWebページにしか表現できないコンテンツ
などは生き残るチャンスがたくさんありそうです。
例えば、最新の商品を販売するLP(ランディングページ)の内容や、
あなたが提供する特典などは普通にChatGPTに聞いたところで出てきません。
あなたの頭の中から生み出されたものだからで、そのWebページでのみ
表現できるものだからです。
また生成AIは技術的な理由ではなく、法的なルールなどの制約や、
提供する企業の倫理的制約などによって、レスポンスを出さない分野も存在します。
特定の政治的な問題や、アダルト分野などがこれにあたります。
かといってすでにこれらの分野でもフェイク動画などが拡散していますが、
生成AIの悪用に過ぎないのでいずれ淘汰されると考えています。
逆に考えると、アダルト分野などは生成AIがこれからも積極的に手出ししそうにないため、
人だからこそ書ける記事やサイト運営が可能で、ある意味アフィリエイターの視点では
恵まれた領域であり、残された聖域であるとも言えます。
生成AIは本当に日進月歩ですね。
最近(2024年10月)もChatGPTの最新機能として「Canvas」が登場しました。
ライティングとコーディングの作業を支援してくれるインターフェイスが
新しく実装されたのです。
(ChatGPTの管理画面でGPT-4o-with canvasの選択が必要です)
こういう機能は人間が求めていることをAIが協調してくれる
ひとつの試みとして他の生成AIでも試行錯誤が続くと思います。
生成AIにまるごと頼ることなく、いいところはうまく使ってやろう、
という姿勢こそが生成AIに出せないアウトプットを出す秘訣かもしれません。
「ChatGPTを使っても出てこない情報なので、検索して調べよう」
と思ってくれることで新たな検索ニーズが生まれてくる時代がそこに来ています。