ルーク・トンプソン

日記

ルーク・トンプソン選手の『小さいこと』は、大きな言葉でした。

2019年10月14日

2020.1.20

遅ればせながら、ルーク・トンプソン選手の現役引退
本当にお疲れ様でした。

本当に痺れるくらいの感動を与えてくれました。
支えてくれたご家族とともに牧場経営でのんびりしてください。

数え切れないにわかファンを本物のファンにしてくれた
多大な貢献に感謝とリスペクトを捧げたいです。

 

台風19号の被災に合われた方へ
心よりお見舞い申し上げます。

 

この記事は、ある種の
ジレンマの中で書いております。

1個前の記事で、私の住んでいるところは
台風19号ほぼ直撃に近いところだと書きました。
一時暴風雨が静かになったときはいわば
台風の目の中にいたせいかもしれないと思いだしております。

その後の被災状況を知るにつけ、
河川氾濫による被害などがはるかに大きく
胸が潰れるような思いでいます。

こういった中で、台風一過というと語弊がありますが
10月13日のラグビー試合に関連したことを記事にしました。

 

さて、ラグビーのワールドカップ
日本対スコットランド戦
これそのものも素晴らしかったですが
その後のちょっとした出来事に感銘を受けました。

 

その前に、どうでもいいことですが
私は高校時代より最近までずっと
ラグビーそのものを敬遠しておりました。

田舎の公立高校でしたが体育の授業でラグビーがあり、
しかも体育教師が鬼でしていわばスパルタ教育そのもの。

当時はビンタを食らうのは日常的なことで
このことで誰も文句を言う時代ではありません。

今の時代では許されないでしょうけど
当たり前だった昭和の時代です。

ラグビーをやるのは芝生の上ではなく
普通の土のグラウンドです。

ここで見事にタックルされて「脳震とう」
生まれて初めて経験し、暫く気を失っていて
気が付いたら保健室に寝かされておりました。

また土のグラウンドですのでラグビーの
授業が終わると毎度男子生徒の半数くらいが
肘や膝にケガをして血を流しておりました。

せいぜい赤チンつける前に水道で洗い流せば
それでいいだろうという感覚です。

こういうのがトラウマになって、その後ずっとラグビーを
やたら野蛮なスポーツだと思い込んでいたんですね。

 

ところが今回のワールドカップでは
肉弾戦ならではの男臭いスポーツでありながら
発祥であるイギリス的なジェントルな雰囲気も
どこかにあるように感じてあらためてすっかりファンになりました。

スコットランド戦後の選手インタビューを
ご覧になった方は多いと思います。

リーチ・マイケル選手とルーク・トンプソン選手の
コメントは特に印象的でした。

勝った単純な喜びだけで終始するのではなく
その時点でも今この記事投稿時も進行中の
台風19号被災者、被災地への思いが語られていたからです。

特に最年長38歳のルーク・トンプソン選手。

東大阪のヒーローというのも初めて知りましたが
彼の日本語ネイティブでないトツトツとした
何気ないひと言にグッとくるものがありました。

『ラグビーは小さいことです。』

この言葉、台風19号による惨状を
おもんばかって出たものです。

ネイティブジャパニーズである私には
仮にそう思っていても、なかなか口に素直に出せる
ようにはとても思えませんでした。

シンプルな言葉だけど、この中に
奢らず謙虚な気持ちがあふれていることを
ネイティブジャパニーズを話す人なら
或いは外国人も含め日本語を理解し日本の良さを理解できる人ならば
ほぼ直感で何を言いたいか理解できます。

日本人が古来より大切にしてきたものが
DNAに込められていて、この一言で
胸が熱くなってきました。

ルーク・トンプソン選手と
我らがブレイブブロッサム(Brave Blossoms)と
ラグビーというスポーツそのものに
最大限の感謝と誇りとリスペクト
を払いたい気持ちでいっぱいになりました。

ルーク・トンプソン選手の言葉は私にとって

小さいことではなく、
とてつもなく大きかった

です。

同時に多くの人々に、力を与えてくれたはず
だと確信しています。

私のようにラグビーを敬遠したり、或いはさほど
関心の無かった多くの人々をファン化させただけではなく
現時点でなお被害の拡大している惨憺たる状況の中で
勇気を与えてくれる輝く星のように感じます。

どんなスポーツでも共通しているのかもしれませんが
一流の選手は皆本当に謙虚ですね。

 

ところで私はネットのビジネスに関わる者として
『言葉』をいつもとても大切にしているつもりです。

ネットの言葉とは、テキストのことです。
ネットの本質はテキストで出来ているからです。

テキストを作る力をコピーライティング力
とも呼んでいますが、本当に肝ですね。

また、言葉の意味がどこにあるかを
事あるたびに(これは私自身のこれまでの本業の中でも)
繰り返し叫んできました。

言葉の意味は、『文脈』にあるのです。

例えば、
『ラグビーは小さいことです。』
これだけを聞いたらきっと

???

となるはずです。

ただ、台風19号がどれだけの破壊力をもたらし、
今どうなっているのかテレビやネットを通じて
私たちは共通認識を持っています。

そしてこの日ベスト8として勝ち残った。
そこらじゅうで皆が祝ってくれている。

この状況を背景を知ってるからこそ
ルーク・トンプソン選手が
発した言葉の重みを理解できます。

本来であれば、初のベスト8という快挙に
舞い上がってしまうところですが
あえてラグビーは小さいと言葉にしたことで
・・・彼はうんと男を上げましたね。

これが『文脈』です。

私たちはこの文脈を理解しているから
『ラグビーは小さいことです。』
がどういった意味を持っているかも理解できます。

私にとって、これは珠玉の言葉でした。

大切な心に刺さった言葉は、必ず
ノートにメモしておくようにしています。

陳腐ながら日本代表におめでとう!と同時に
今は被災された方々の一日でも早い復興を祈るばかりです。