この記事は、過去に私の『異端メルマガ』で配信した内容をもとに
ブログ記事用に少しアレンジした内容となります。
冬の寒空のなか、コタツでゴロゴロしている方、そして読書好きな方のために(私もそうです)
意味のある「本」についての考察をお話してみます。
ここでいう「本」とは、アフィリエイターであるあなたにも気になる機会の多い
自己啓発書などのいわゆるビジネス本、あるいは成功本といった類と
ごく最近読んだ経済学者トマ・ピケティの「21世紀の資本」のことです。
成功本がつまらない理由
成功本というのは、
「夢」「誰でも」「成功」「~の法則」「習慣」「魔法の」「何倍」「○○億円」「黄金の」「原則」・・・
などの単語で象徴されるような、自己啓発書、あるいはモノによりビジネス本とも呼ばれますが
不況であればあるほど、根強い人気が出てくる不動のジャンルのひとつです。
かくいう私は30代から40代前半までは、ある意味こういったジャンルのフリーク、中毒でした。
今は、真剣に読むことはまず一切ありません。
読むというより、本屋さんでパラパラとチェックすることはあります。
それはコンテンツ作りのネタになるからです。
具体的には「人の弱み」を知ることができるからです。
もっとはっきり言うと、成功本に惹かれる人というのは
まだ若くて(多くはは20代~30代前半)人生経験が乏しく知識として知らないことがあるとか
自信がないからとかいろいろだと思いますが実は共通点があるのです。
それは自分の中を強くしようと思いつつも
「他力本願」もしくは「他者依存」的な性格から脱しきれないせいではないかと
そこが共通点ではないかと私は感じています。
これも最近、本屋さんで人気あるとかで1、2分ほどパラパラ立ち読みしたひとつですが、
「エッセンシャル思考」というのを見つけました。
人によっては意味があるかもしれませんのでご参考まで。
エッセンシャル思考
簡単な話で要するに、うまくいかない人はエネルギーを分散していて
うまくいくには最重要なただひとつのことを選択し集中すること、という話です。
これは話として至極もっともなことだと思います。
しかし現在ビジネスをやっている意識の高い人ならば、こんなのは当たり前と思うはずです。
・・・ただ私は人の「弱み」を明らかにしているひとつなので、
自分のコンテンツ教材ネタとしての材料として使えるな、と思った程度でした。
とてもエグイ考え方かもしれませんが、自己啓発書で人気があるほど
人間の弱点をうまく暴き出していると理解していて、それはそのまま商品販売に利用できます。
インフォ系の商材販売ほかで利用できるコピーライティングも結局のところ
そういった人間心理をうまく突いているかどうか、が重要点だったりするわけです。
この話(↑)、お分かりでしょうか?
そんなの常識じゃん!と思った方は、すでに何らかの形で自らのビジネスモデルを持ち合わせていらっしゃるはずですね(^^)
成功本フリークであった私も他力本願的な性格であったに違いないですが、
実は一度として成功本から何か成功経験を得たためしがないことに思い当たったときから、離れていきました。
自分にプレッシャを与え、自分ではないところに追い込むイヤな道具にはなっても
それ以上に何の実りもないというのが私の実感でして、
たぶん途中で何か放り投げる理由見つけたら挫折するからだった、と反省しています(^^;)
もうひとつ背景があって、企業でも40代の後半に差し掛かると
企業活動における”充電と放電”のうち、”放電”だけを
求められていることに気づいたからでもあります。
今あなたが20代ならば充電だけでいけると今でも思っています。
前途には時間だけは豊富にあるのです。
私にはそう見えます。
30代になると充電しつつ放電比率への期待が大きくなり
40代になるとやがて充電はいいから放電だけしろ!と周囲の期待も変化します
これは従来から根強い日本の企業の風習パターンです。
ここで小休止して要約しますと、成功本を追いかけるのは
ビジネスを行ううえで必要な知識としての吸収以外では何の意味があるのか私には不明です。
つまり『お金を稼ぐ』というのが最重要目的であるなら、精神論を軸とした成功本は無駄です。
そんな暇があるなら、松下幸之助とか本田宗一郎のビジネス本を読んだほうが圧倒的に意味があります。
それに、もしあなたが成功本オタクで且つ40代以上であるなら、
とてももったいない時間の使い方をしているとさえ感じます。
私が気づいた一番大きなことが;
「自分探しをしているヒマはない」
ということでした。
それやっているうちに人生のタイムアウトを迎えるのはバカらしいと認識したのです。
放電ばかりを求められるうちに、ふとそこに気がついたのです。
ピケティの「21世紀の資本」がなぜ超人気なのか
ビジネス本と呼ばれるジャンルにも、これから先長く
人々の議論の土台になりそうなものが出現することもあります。
人に勧められ、お正月に読破したフランスの経済学者である
トマ・ピケティの「21世紀の資本」はそうなるだろうという逸品でして、ご存じの方も多いのではないかと思います。
なにしろ全体で700ページでとても分厚い専門的な本ですし、
こういった専門書が世界中で売れまくっていることに大いに驚きがあります。
アメリカのアマゾンドットコムではNo.1の人気本です。
この本は、作り込みから半端ではなく多くの関係者が10年以上に渡って
欧米マクロ経済データをかき集めたとのことですが、
その対象は過去200年間にわたっての金持ちと貧者の話に行き着きます。
19世紀からのデータで、どうやって集めたのから興味深いです。
その200年間にわたる経済データを分析して定説を覆したわけです。
"資本主義では、金持ちはもっと金持ちに、それ以外の人との
「格差」は過去200年を通じ、そしてこれからも広がる”
というものです。
この主張をもう少し噛み砕いてお話してみたいと思います。
ここでいう金持ちとは、上位1%にいる人で、アメリカの場合は
日本円で言うなら1億5000万円以上の年収がずっと続いている人のことです。
「21世紀の資本」とはこんな本でして、
電車の中で読んでいると、それだけで学者のように見える利点があります(笑)
21世紀の資本
r>gが格差を広げる
資本主義が完璧でないことは、広く知られているところですが
他にそれ以上にましな経済システムの選択肢がないということでもあります。
rとgの簡単な不等式がこの本の結論です。
rとは、資本収益率というものでざくっというなら「不動産」からの収益を思い浮かべるとわかりやすいです。
不動産なんかのストック収入になるものが該当します。
gとは国民所得の成長率です。
成長率といってもピンと来ないかもしれませんが、アベノミクスでやっきになっているのがこれです。
労働でお金を得る人、サラリーマンも公務員もアルバイトも同じで
給料所得はすべてフロー収入と呼ばれ、所得を増やそうという考え方です。
で、このrとgは過去200年間のごく一時期を除いて
r>gのままであって、これからもこの格差が広がっていきますよ、というのがピケティの主張です。
アベノミクスの是非はともかく、とても困難なこと、過去200年にわたる事実から外れたところを狙っていることが
ピケティの本を読むとよくわかります。
因みに日本では、rとgが近づいた時期もありました。
要するに金持ちとそうでない人との差が縮まったように錯覚し、
なんとなく平等感が広まっていった時期のことで
いわゆるあの高度成長時代のことです。
あなたも私も99%にいるからこそ・・・
それで、r>gがこれからも続くとなると、
もう99%の人が格差を強いられる側に回ることになります。
1億稼いだとか、そういったことが仮に一度や二度あっても
やはり99%の側にいることに変わりません。
1%未満の上位にいる人は、ホントの意味で何もしないでも
不動産などから毎年何億と収入がある人のことでして、まぁ普通に考えて
そういったことを夢見てもほとんど実現不可能なわけです。
成功本を何千冊読もうが変化ないどころか
ますます自分を苦しめていくだけのものです(笑)
従って、目指すところ、今できることは99%の中でも
より満足感を得られる場がどこか、ということになります。
それぞれの人生で何が満足感を得られるのかバラバラですが、
今ここではアフィエイターやインフォプレナーを対象にお話していますので、
そうであればどこなのか?
を自問されると方向性が見えてくるのではないでしょうか?
自己啓発書にも、よく言われるマインドセットにも本当の答は見つからないと思います。
ということで、私自身の答はもっているわけなんですが
ここは問い掛けという形で締めたいと思います。
このブログの中でも、私自身の考える答には何度も触れております。