この記事は、EUの司法栽培所が2014年5月に下したGoogleへのある判決と
対抗策として打ち出してきたGoogleの知恵を紹介します。
その前に・・・
Googleへの不毛の戦いを繰り返す人たち
サイトアフィリエイトなどを中心にグーグル検索に頼るモデルでは、
ネットから収益を得ようと試みる手段として、被リンクを集めるということが重要であると盛んに言われてきました。
そのためにサイト量産を前提に、自作自演の2層目(サテライトサイト)、
3層目(サテライトのサテライト)とサイト群を作りまくりそこから最上位層へリンクを送るという
古典的とも言えるアプローチが存在していました。
最近知ったところでは、今でもこういった考え方を教えている人たちがいて大変に驚きました。
2層、3層と作っては検索エンジンに一網打尽にされては、また作るという不毛の戦いを
繰り返していて、なぜそんな無駄を延々と続けるのか聞いてみたところ
「SEOはこうして飛んでも戻すしかない」
というあまりにショボイ回答でさらにがっくりしました。
さらにドメインパワーをつけるため、中古ドメインを買ったりそこからまた
リンクを貼ったり、そしてまた検索エンジン見放され・・・
・・・ここで、念を押してお伝えしておきたいのは、どのような小細工をしようと
Googleを騙すことはできない、ということです。
騙すという言い方はよろしくないかもしれません、そうではなくその戦場でそれでも一生懸命に優位に立ちたいという気持ちから、小細工に走ってしまうというのが実際のところだろうと思います。
個人や小規模のSEO企業は論外、国内の社員10万人以上のIT企業でも太刀打ちできません。
これは、もう絶対、と言えるほど間違いの無いことです。
「忘れられる権利」の削除要請と鬼の対抗策
さて、『グーグル、「忘れられる権利」の削除要請に対抗策』という
タイトルで紹介されたGizmodeの記事は、本当にしたたかなGoogleの知恵というものを
見せつけているくらいです。
Googleの見せつけた力は;
誰も静かに消えることはできない。
というものです。
なんかミステリー小説か、ギャング映画の世界のようです(笑)
EU司法裁判所が「忘れられる権利(the rights to be forgotten)」を擁護し、
当事者が要請した場合、ヨーロッパ版のGoogleリンク削除するよう判決をくだしました。
この結果、ヨーロッパ版のGoogle検索結果からは
当事者が削除要請したリンクが削除されるようになりました。
でもさすがにグーグルは転んでもただでは起きないとばかり、
対抗策としか見えない方策を打ち出してきました。
まず、誰かがこのリンクにあるコンテンツを消して欲しいと申告したとします。
この意味は、誰かが不都合な真実を消したいという目的のために、人々の目の届かないところに葬り去る、といったことに利用されるケースが考えられるわけです。
ところがここからがGoogleの凄いところです。
侮れないというのは、こういった施策を考え行動に移すというところです。
どうなったかというと、削除要請されたリンク先にあるサイトに対し、
削除要請があったことを通知することにしました。
つまり、誰それからあなたのサイトのこれこれを削除して欲しいと来ましたというお知らせを投げたわけです。。。
こうなると、誰が削除要請したのかは一目瞭然となります。
これを通知を受けたサイトがこのことを記事化すると、削除要請をした人の残念な過去が暴露され、吊し上げになるわけです。
どういうことかおわかりでしょうか?
グーグルは削除要請という隠ぺい工作に対して、隠ぺいを暴露するための手段を残した、ということになるわけです。
このことで、誰も静かに消えることはできない、という警告をグーグルはネットに発したという意味でもあるわけです。
ところで、今もなお不毛の戦いを知りつつも、検索エンジン相手にあれやこれやと試みるのがいかに人生で使える時間を無駄にしているかお分かりになりませんか?