Seesaa ペナルティ

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SeesaaのGoogle/Yahoo検索できず・・・それでも被リンクに精出すSEOプロの話

2015年10月1日

この記事は2015年9月18日~19日に起きた出来事で、
Twitterなどでかなり盛り上がった話と、
そのことからイマドキのSEO事情というものを
掘り下げ迫ってみたものです。

Seesaaブログがネットから消えた日

ご存じの方も当然いらっしゃるはずと思いますが・・・

2015年9月18日、あの老舗無料ブログサイト Seesaa(シーサー)が
突然、ネット上で検索されなくなりました。

私はたまたま、ブログ等でも紹介している「まとめサイトビルダー」
という傑作ツールを使ってしこしこ遊んでいるときに(笑)
このニュースがツールに引っ掛かり知った次第です。

Seesaaは私自身も8,9年前になりますがネットに参入した
初期のころかなりがむしゃらに使ったことがあります。

なにせ他の無料ブログと比べても規約も緩めで
アドセンス用にも多くの人が奨励していたのを覚えています。

今に至って長年に渡ってSeesaaが続いているということに
驚きを感じるくらいです。

この事実だけでも利用者に支持されてきた証だと分かります。

それで、検索されなくなったというのはSeesaaの中の
特定のブログのことではありません。

そういったことはSeesaaに限らず日常茶飯事ですね。

そうではなく、『seesaa.net』という大元のドメインごと
検索エンジンによって飛ばされてしまったわけです。

早い話が、Google(Yahooも含め)から
"ネット上に『seesaa.net』の存在を許さない"
というご託宣が下りたということになります。

まぁ、Seesaaブログの利用者もこれで大騒ぎになったのですが
実は本当に衝撃を受けたのはSeesaaの運営元でしょう。
ネット上でSeesaaの存在を否定されたようなものですので、
企業の存続に関わるような大事件です。

そこで問題は、「なぜ飛ばされたのか?」という理由です。

Seesaa側はその点については一切触れておりませんが
検索できなくなった直後にGoogleが「WEBマスター向け公式ブログ」
に発表した一つの記事があまりにタイミングぴったりなために
理由はこれに違いない、とまことしやかに吹聴されました。
ウェブマスター向けガイドライン違反を繰り返すサイトについて

これ読んでおわかりの通りですが、
不自然な被リンクなど(購入したリンクなど)の

悪質なガイドライン違反を繰り返すサイトは
「手動による対策において、更に厳しい対処を取る」

・・・覚悟せいよ!とアナウンスしています。

不自然な被リンクについては、Seesaa運営元が率先しているとは
とても考えられませんが(自分の首を絞めることを知っているため)
1アカウントで5つまでブログ作れるということからも
ある意味、被リンクの供給サイトとしてやり放題であった
・・・というのがSeesaaの特徴というか、無料ブログとしての
利用価値のひとつでもあったわけです。

これに業を煮やしたGoogleの堪忍袋の緒が切れた、というのが
今回の裏事情ではないかと推測されます。
で、Seesaa側では大慌てでGoogleにかけあったのでしょう。

翌日19日にはお許しをもらったようです。
なお一般の個人では、Googleに何度取り消しを依頼しても
無意味な場合がほとんどです。
また運よく回復できた場合でも、それまでに長い時間を要するのがフツーです。

Seesaa側は、一連の顛末について淡々と報告していますが
経営陣や社員はさぞかし冷や汗をかいたと思います。
Google/Yahoo 検索の結果にブログが表示されるようになりました

Googleによって生かされているという状況と
それが現状の無料ブログ運営のビジネスモデルであることを再認識し
これからおそらくSeesaaの利用規約はもっと厳しくなるはずです。

自分の身を守るためにも、悪用されているブログはどんどんと
排除していくでしょう。

ただ私が経営者なら、Googleに左右されない別のビジネスモデルを
複数見つけ、何とかモノにすることを同時に考えます。
というか、Seesaaは今はネット上での多角化をどんどん進めていて
Googleアプリなんかもガンガン作っている会社です。
このあたりはさすがですね~

なんせあまりにリスキーですからね、従業員も多い立派な会社なのに
Googleの機嫌だけを伺うビジネスというのは。。。

このSeesaa圏外へ・・・というニュースで実は私自身が
驚いたのは同社とGoogleとの関係です。

Seesaaの取引先にはベネッセやリクルートといった企業だけに
とどまらず、実はGoogleもそのひとつなのです。
取引関係があるのに(あるから早く復帰できたとも言えますが)

Google側からいきなり絶縁状を突き付けられたような感じなので
Google社内での力学や取引先との付き合い方に
いろいろと想像を巡らせてしまいました。

SEOは職人芸であるという話

さて、Seesaaの一例をもって
被リンクをバカバカつけるのはダメだよね、とか
無料ブログではなく独自ドメインで運営しないとダメだ、とか
内部SEOを充実させましょう、とか
こういったつまらないありきたりの話をするつもりはありません。

不自然な被リンクをなぜつけるのか?

というともちろんSEOに効果があると言われてきたからです。

そして実は現役のSEOプロも、"不自然な被リンク"を
今この瞬間も利用していまして、そのことの意味を考察してみましょう。

ちょっと話は横道に飛びますが、何年もネットに関わっているうちに
何というかいわゆる”SEOで食っている人”・・・わずか3名ではありますが
知り合いになりいろいろと勉強させてもらっております。

ネット黎明期からSEOだけやっている方が2人、何かのツールなどを
販売していたがSEO業者に鞍替えした方が1人。
いずれも法人化しているしたたかなプロ連中です。

このSEOプロ達は、どうやってシノギを得ているのでしょか?
彼らは口を揃えてこう言います。

「昔からやっていることは変わらない。」
「ただ効率化のために人海戦術がツールになってきているだけ」

人海戦術とは、私もネットで右も左もわからなかった時代に
手伝ったことがあり、コンビニでバイトするほうが100倍くらい楽だと
思ったくらいで腱鞘炎になるくらいにピコピコと被リンク用サイトの
量産をして、そのプロの手口を教えてもらったことがあります。

今では大部分がツールで可能なのですが、外注を一気に数十名ほど雇い
作業が誰でも均一な仕上がりになるように工程やプロセスが細分化され
サイト量産をまるで工場でやっているみたいに同じように手作業で進めます。
マニュアルに沿ってひたすら人海戦術頼みで量産するのです。

もう少し具体的にお話しますと、今、これはと思う商品Xがあったとして・・・
それを見つけるための「目利き」がすでに職人技的なのですが・・・
その商品Xが、例えばMoba8なんかにあってアフィリエイトするとしましょう。
それをSEOで売上につなげるという、古くからある典型的なやり方です。

・商品Xのセールスページ(ASPのランディングページ)へ
 リンクさせるためのメインサイト(ペラサイトもあり)
 を作る。

・このメインサイト自体が複数存在するケースもあります。
 最初からドメインパワーをフルに使うために、中古ドメインは
 常日頃からたくさん仕入れています。

・その下にメインサイトへリンクさせる被リンクサイトを
 作ります。(こちらはやたらペラサイトが多い)
 無料ブログや無料HPな使える媒体は何でも使います。
 
 (Twitterその他のバイラルに期待できるメディアも
  もちろん使いまくりですが、ややこしくなるので
  一番シンプルな形で話をしています)

・あとは成約と承認を祈るのみ(^^;)

ここで、”被リンクサイトを作ります”と書きましたが
キーワードを選定したり、それっぽい記事で埋めたりと
やることはかなり面倒です。

キーワードひとつとっても、漠然と思いついたものではなく
検索上位にあるサイトが使っているキーワードをパクッたりと
なかなかに面倒な作業があるわけです。

そして何より重要なことなのですが、この被リンクサイトの数は
100個とか200個とかのレンジではありません。

人海戦術の8年くらい前の時代でも数千個、今はツール効率化で
最低数万個くらいは作っているとのことです。
多いときは数十万個です。

1個の商品Xをアフィリエイトするためだけにです。
ネットにゴミを巻き散らかしているの自覚しながら
やっているので完全な確信犯ですね(笑)

そのために無料ブログや無料HPだけではなく
中古ドメイン使ったり、IPを分散させたりと
さらに外注化する場合には人件費と
そのために経費がかなりかかるものです。

100万円経費かけて、例えば130万円の売上で、粗利は30万
200万円かけると260万の売上で粗利は60万。
じゃぁ、1000万かけると1300万になるのかというと
そういった直線のカーブにはならず、対数曲線のように
どこかで飽和して、粗利は一定以上になりにくい
という性質があるのがこの世界のようです。

ここまでで何となくお分かりになったかもしれませんが、
個人でSEOを意識して大量の被リンク用のサイトを作るために
結果の保証もあてもないのに100万費用かけるとか
200万かけるとか、普通には実行できないでしょ?

それに作ったサイトはいつGoogleペナルティを食らうか
わかったものではありません。

でもここが違うんですよ、プロ連中は。

彼らは経験的にどのくらいの投資をすれば
どのくらいの売上が見込めるということを知っていて
さらにいずれ遅いか早いかの問題で、作ったサイトは
ことごとく圏外に飛ばされることも承知しています。
投資が全部無駄になるリスクも承知でやっています。

つまり他の案件などでカバーしリスクヘッジとしているわけです。

中古ドメインなどは毎月数十個くらい質のよいものを
見つけてくるそうですが、数十万円かけてこれも費用のひとつですが
中古ドメインの運命は使い捨てです。

いずれGoogleに発見され、エグイ使い方と判断されたらそこで終わりなので。

もっと言うと彼らのSEOについての発想は、「帰納的」です。

つまり個々の事例をもとに、一般法則を知ろうとする試みです。
個々の事例とは、大量の被リンクでこんだけ稼げたという実績であったり、
そしてその被リンクの質であったり(ドメインの強さ)
・・・そういったものが検索エンジンに対して
不自然でありいずれ見破られることを承知でやっています。

さらに、これこれのジャンルのこの商品は
この季節ならこうなるとか(商品の目利き)
でもって、承認率がだいたい○○%程度になるからとか
こういった過去の事実を積み上げて、
そして現状の検索エンジンアルゴリズムは
まだ数え切れないほどの被リンク供給x中古ドメインxキーワード選定
などで上位に押し上げた期間が、これだけの間ならばきっと
まだ見破れないはずだ、と踏んでいるわけですね。

つまり、なぜ稼げるのかというと
検索エンジンに見つかり飛ばされるまでに「時間差」
があることを知っていて利用しているからです。

そして検索エンジンにこの違反行為が見つかったとしても
その能力は、今この瞬間ではまだ万能でないことを知っていて、
その弱点を突いているだけであることも
自覚しながらやっているということです。

この時間差(タイムラグ)を利用して、短い期間中に
一気に売り抜くのがSEO業者のノウハウなんですね。
PPCの話ではありません。SEOなんですよ。

なんか「せどり」と似た感覚があるように私には思えます。
せどりの本質は単純で、「価格差」を利用した商売です。
で、ここで紹介したSEOプロ連中は「時間差」を利用して商売しています。

いつかわからないが飛ばされるリスクを承知で、
カウントダウンタイマーが動いている今この瞬間も
ギリギリ通じるキワドイやり方(=不自然な大量被リンクとか、です)
で強制的に、恣意的にSEOでの順位を上げていくための
テクニックを駆使していくわけです。

1サイトではほとんど意味はなくても、数十万個もあれば
強力な援護射撃ができることを知っていて投資するわけですね。
ここらへんに、「SEOは職人芸である」という由縁があるわけです。

一般には、今さら被リンクや中古ドメインとかそんなやり方、
今どき古くてもう意味ねぇじゃん!
と思うような古典的なやり方を、愚直に、しかし効率的に、しかも
7桁以上の投資を毎月繰り返しやっているのがSEOプロの実態です。
(こちらの7桁以上の投資額は社員入れて2~3名のSEO業者の例です)

というようなことを理解していただいて、ご自身のスタンスを
振り返ってみてはどうでしょうか。

私の場合は、真逆でして、先ほどお話した「まとめサイトビルダー」
で作っているいくつかのサイトを含め、
なんだかんだ言っても中身(コンテンツ)にこだわっています。

眉をひそめる方もいらっしゃるかもしれませんが
ギンギンのアダルトサイトでも実は同じ視点で運営してます(笑)

これは性格によるものが大きく、ひたすら中身にこだわり続けるという
スタンスがそこそこに利益につながるという
体感をしているからでもあるのですが。
それが正しいとかどうかではありません。

私は単にそうしているという話ですが、
これからもそうするでしょう、
それが性分ですので。

SEOを極めていくと、ひとつの方向性としては
先ほどのプロの話に行き着きます。

あれも良い悪いではありません。
ただ確実に言えるのは、しっかり「計算」してやっているので
そこがプロらしさですね、それなりに計算できないと
ビジネスには成りえませんので。

で、あなたはどう考えますか?

・・・・正解はありませんよ。
ご自身で深く思索することこそ、意味があると言いたいのです。