事業継承 Wazaar

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Wazaar(ワザール)の事業承継~2016年動画教材配信サービスの行方

2016年1月1日

Wazaar(ワザール)日本法人代表 峯山政宏さんから
2015年12月31日も終わろうかという時刻に
一通のメールが飛び込んできました。

Wazaarは2015年9月にサービスインしたものの
そこから1カ月程度でサービス中止に追い込まれましたが
海外の動画教材配信サービスUdemyをモデルにした国産の
サービスであっただけに、期待もあり私も残念な思いでした。

このあたりの経緯はこちらの記事でご紹介しております。

infotopは「ファーストペンギン」へ、そしてWazaarはいずこへ?

事業承継の裏と苦渋の言い回し

峯山さんからのメール要旨は以下に尽きます。

2016年1月1日(金) をもちまして、
Wazaarサービスを他法人へ事業承継いたします。

事業承継という単語は一般の方には聞きなれないかもしれませんが
会社経営に携わっている人であればすぐにピンとくるかと思います。

簡単に言うと;
会社の経営を誰かに引き継ぐ
という意味です。

ワザールはもともと、シンガポールの法人である
MAX PAYMENT GATEWAY SERVICES PTE. LTDを事業法人となり
日本では株式会社みんカレが運営法人としてサービスを提供。

しかし前述のリンク記事などでご説明している通り、
システムがいつまでたっても完成しないという泥沼状態のまま
サービス停止に追い込まれ、2016年春に再度のサービスインを
目標にシステム全体の見直しをかけていたのだと思います。

事業承継先は今春、動画教材の配信サービスを開始する予定とのこと
(どこかは開示されていませんが別ブランド名&別事業法人)

『事業承継』という言葉を目にしたとき、なるほどこの言葉、
知恵を絞ったんだなと、すぐに分かりました。

何がって?

実体として承継できる事業は超短期で閉鎖されましたので
ほとんど無いと考えてもおかしくありません。

通常引き継ぐものがあるとすると、資産か負債です。
資産の中には人・モノ・金とあるわけですが設備やスタッフが
どうなったかはもちろん不明ですが、お金という面では
むしろ負債のほうが残っていたと考えるべきでしょう。

システム問題をクリアしWazaar再開とすべきか、それとも
全部リセットして考えるべきか・・・
最善の方法として今回の処置を選んだのだと考えられます。

完全にリセットし、Wazaarは消滅させ
しかし動画配信サービスに特化したビジネス継続を謳いたい。。。
ここらあたりが苦渋の選択だったろうと推察します。

なお言うまでもありませんが、親会社にあたる株式会社ファーストペンギン
(旧インフォトップ)とさらにその親会社にあたる
アエリアの経営判断を受けてということは想像に難くありません。

12月31日が年度の区切りになるため、ギリギリのタイミングですが
今回の発表になったのだと思います。

国内の動画教材配信サービスの行方は

単なる動画配信サービスであれば、その代表は言うまでもなくYouTube
そしてVIMEOなどと続くわけですが、『教育』用動画教材が主軸になっている
ものをここでは言っております。

教育動画ではなんといってもUdemy(ユーデミー)

Udemyのトップページによると;
優れた知識・スキルを持つ人と本気で学びたい人をつなぐ
世界最大級のオンライン学習プラットフォーム
というものですね。

英語版Udemyは大人気で、国内では教育大手のBenesseがスポンサーとなり運営。

特に、英語での教材制作やサポート力に自信がおありの方であればおススメです。
なぜならこの力があって初めて全世界の利用者を相手にビジネスが可能だからで、
逆に誰でもできることではありませんので差別化も相当にいけると思います。

プログラミング系の教材(iOS9のアプリとか)は3万円程度ですが
大人気ですね、こういった方向は狙い目と言えるでしょう。

Wazaarは、この点において完全に国内ユーザがターゲットでした。
システム問題を横に置くと、品揃えが『稼ぐ系』のツールなどに
偏っていたキライがあり、早くそこからの脱却を期待しておりました。

Wazaarの失敗は、公開されてきた情報に頼るならば
システム問題にあるわけで、動画配信サービスが否定されたわけではありません。

私自身はコンテンツビジネスの非常に大きな可能性が
あることを信じてやみません。

ただし、現時点ではコンテンツを消化する利用者(受講者)、
コンテンツ提供者である販売者、
そして拡散を担う媒体(アフィリエイター活動やSNSなど)
それぞれの利益が十分に納得できる形には整っていない、
こなれていないという問題が残されていると考えています。

受講者、販売者、アフィリエイターなどのステイクホルダー
それぞれが十分に納得できる形のモデルにはまだまだ課題が
あると感じています。

総合的に見ると、動画配信サービスのプラットフォーム環境や
認知度アップのための積極的な活動において
改善がまだまだ必要だと考えていますが
このビジネスの未来は明るい方に向かっているということです。

Wazaar代表の峯山さんにおいては、是非とも
従来想定していたWazaarを超える教育動画配信サービスに
関わり、広げて欲しいものだとエールを送りたいと思います。

なんにしても、日本では誰もやったことのないビジネスを
始めようとしたその勇気は評価されるものだと考えています。