坂田智康

ラーメン屋の店主が集客やSEOコンサルをするとどうなるか

この記事は、メルマガ読者さんのひとりからある相談を受け

ご返事したことを含め共有してよいというご了解を

いただいて、ほぼそのままの形で掲載しています。

特に、飲食店や美容院などを経営している方には

何かのご参考になるやも・・と思って記事化しました。

ある読者Yさんからの相談

Yさんは、ラーメン店の経営者であり店主でもあります。

お店はそこそこに人気があるということで、日々忙しい

生活に埋没されているようです。

Yさんは一方で数年前からネットに参画し、

アドセンス(Google Adsense)をキャッシュポイントとして

いくつか複数のブログを運営されています。

それらはここで公開はできませんが、

私は全て拝見しました。

ツールを使って量産するタイプのものではなく

じっくりコツコツとブログを育てていることが

よくわかり、デザイン面でもしっかり凝った作り

になっていて、こういったブログの書き方や

表現方法に『慣れている』ことも瞬時にわかりました。

慣れている以上に、むしろ達者といっていいくらいです。

1年2年と継続してずっと書きつづけているため、

記事ボリュームも多く、アクセス数も一定数は常にあり

アドセンス報酬もそれなりにあるとのことです。

ただアドセンスのようなクリック頼みだけの

ビジネスでは頭打ちの感もあって、インフォ系

といいますか情報商材のアフィリエイトもしたいし

ネット集客やSEOの初心者向け、あるいは同業者向け

コンサルもアピールしているのだがこちらは

なかなかうまくいかず、どうしてだろうと悩んでいる

といったのがご相談の主旨でした。

Yさんはなぜネットで稼ごうと思ったのか?

もう少し背景を付け加えます。

要するに、なぜラーメン屋さんがアドセンスをやっているの?

という理由に当たる部分です。

Yさんの話によると、ラーメン店に限らず、

そば屋でも同じで、とにかく小規模飲食店のオーナー

ならかなりの確率で共通しているのではないかと

いった話ですが・・・

・・・仕事そのものは朝から夜遅くまで

仕入れから後片付けまで、そして事務処理もあって

休む間がほとんどないということでした。

これは想像に難くありません。

そしてお店を始めるにあたって、多くが

金融機関等からの借り入れを行います。

行列のできる人気店であっても、返済には

時間がかかることが普通です。

仕事はきついです、サラリーマンと違って

安心して休める日というのがなかなかない。

売上・収益は、さまざまなファクターに左右され

気を休めることがなかなかできない、と。

本業であるラーメン店からの収入以外でも

時間に左右されない形で何かないかを探し

ネットに行き着いたということで、実際に

パソコンをいじっている時間が本業よりも

楽しいというご自身の発見もあったようです(笑)

好きだからできるし、続くというのは

なんでもそうですね。

面白いのでネットにもっと時間を注ぎたい

という気持ちもあるようですが、本業を今

おろそかにするわけにはいかない。

一番の理由は、今やめると借入金の返済だけが残り

大きく生活に圧迫してくるからとのことです。

ラーメン屋店主の集客やSEOコンサル

そこでここからが本題です。

私はYさんのブログで、ひとつだけ

非常に大きな違和感を感じたことがありました。

ラーメン屋 ネット集客

それはプロフィールにあります。

そこにある共通したトーンがこうでした。

○○ラーメンの店主が教えるネット集客・SEOコンサル・・・

ここを見て、今この記事を読んでいるあなたは

どう感じましたか?

Yさんと同様に飲食店を経営されている方なら

もしかすると、面白いと思われたかもしれません。

私が感じた違和感というのは、キャラクタ設定

関係する部分です。

ラーメン屋さんでもそば屋さんでも同じですが、

お店のメニューをおいしそうに紹介してくれたり

或いは素人でもこうやったらおいしく作れるといった

ノウハウを教えてくれるのなら自然に受けとめられる

のですが、ネット集客やSEOやアドセンスを教える

といった点に非常に違和感があるのです。

つまり、ラーメンを売りたいの?

それともネット集客をしたいの?

どっちなの?

という点が混乱の出発点にあって

ラーメン店やそば屋の店主から集客ノウハウ

なんて聞きたくもない、というのが本音です。

そんなことをやっている暇があったら

少しでもおいしいラーメンやそばの開発に

取り組んで欲しいと思ったくらいです。

この点は誤解して欲しくないのですが、

ラーメン屋さんやそば屋さんが

アドセンスや集客ノウハウを教えるのが

良くないと言っているのではなく、

ラーメン屋やそば屋であることを

アピールしたうえでそうすることが

よろしくないと言っているわけです。

つまりこれはキャラ設定の話です。

集客ノウハウなどをコンサルしたいなら

キャラとして、ラーメン屋、そば屋であることを

前面に出すとものすごく違和感があるという意味です。

キャラがぶれてしまって、どっちの人なの?

という誤った印象を与えかねません。

本業をアピールする以外のアドセンスブログでの

プロフィールにラーメン屋を前面に出すのは

効果が無いというより、マイナス方向に働くと

私は考えております。

(因みにこちらの増補版ST CLUB Perfect Essenceには

 詳しくこういったキャラ設定の考え方を紹介しています)

ということで、ラーメン屋さん、そば屋さんならずとも

飲食店の店主をアピールする方が集客やSEOやアドセンス

などを語るのは自己矛盾になるということです。

やるならば、キャラを分け設定し直してやってみましょう。

というか、私はご自分の経営している店舗、商品を

中核にして、そのお店だからこそ発信できるプロとしての

コンテンツ発信を続けてそれを輝かせるほうが

先だろうと思います。

それがまずあって、コンサルタントとして行きたいなら

それを専門にして、お店という現場は誰かに任せるとか

こういった形であれば説得力もあると感じます。