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「気づき」を「稼ぎ」に変える~KENBO's Blog

コンテンツ回帰時代のネイティブ広告モデル|ネコサイトから月間50億PVへ脱却したバズフィード(BuzzFeed)に学ぶ

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マネタイズという用語が広まって久しくたっております。

この記事をご覧いただいているあなたならきっと、
ネットを通じてマネタイズすることに尋常ならない関心をお持ちのはずかと。

なお筆者はマネタイズという用語そのものがあまり好みではありませんが、
この記事の中ではわりとしっくりくるので、あえて使っています。

”~で稼ぐ”とか”○○の稼ぎ方”とかでも良いのですが、
とたんに嘘くさい話になりそうなので避けております(笑)

以下は、一見関係ないようで実は多くの方(=ネットビジネスをやってる方)にとって
関係大ありのマネタイズにつながる長い話となります。


私は、自分自身のネット活動をたまに振り返る時間を大切にしています。

ネットを通じて自分がやっていること、考えていることが
変化の激しいネットの潮流のなかでどういった意味合いを持つのか、
あるいはどういった立ち位置であり、これからどうなりそうかといったようなことです。

ネット上の歴史の一端を読み解いていくことで、この深層に
触れることができるのではないかと考えております。

で、ここでごく大雑把に言うとアドセンス広告、それからネイティブ広告
といった本質に迫っていくわけですが、いきなりこの話ではなく
もっと遡ってネット構造の変化からいきたいと思います。


コンテンツ企業 VS プラットフォーム企業の果てしなき戦い


ここ20年くらいの間で、ネット全体の主役がコロコロと変わってきて
そして今また盛者必衰の理(ことわり)のごとく
新しい変化が起き始めています。

最初に1990年代からみると、いわゆるコンテンツを作り提供する企業(メディア)
と配信や流通を担ってきたプラットフォーム企業との熾烈な生存競争が
繰り広げられてきました。

メディア業界の中においても、「紙」や「モノ」文化からネット媒体への
新旧交代劇が進んできました。
音楽を例にすると、レコード→CD→ネット配信といった感じで
イメージしやすいかと思います。

この時代、最初の王者は「ポータルサイト」でした。
つまりYahooです。

ポータルサイトはプラットフォームであり、コンテンツ企業とは違います。
つまり最初からコンテンツ業界 VS プラットフォーム業界では
最初から、そして全体で見ると今までプラットフォーム側の圧勝でした。

短い期間ながらこのポータルサイトが席巻し、その後に出てきたのがGoogleです。
これが2000年代になりますが、人々は求める情報を得るために
ポータルではなく「検索エンジン」を利用するようになりました。

この検索エンジン利用は、今現在もまだ主流でして
SEO対策という用語も、サイト運営側(コンテンツ企業側)にとって
耳にタコができるくらいに溢れかえっているのはご承知の通りです。

ところが2010年代になると新たな変化が起こります。
Facebook,Twitterなどに代表されるSNSです。

新たな情報の拡散と流通モデルで殴り込みをかけてきたため
さすがのGoogleも慌てて追いつこうと試みました。

Googleも実は何度もSNSを仕掛けてきたのですがことごとく失敗しており、
唯一残ったのがグーグルプラス(Google+)というありさまです。

SNSは時代のデバイスともいえるスマホを武器にして
目が覚めて寝るまで常備品として携行され
人はいつでも好きなときに閲覧し、情報を消費する形が当たり前になってきました。


そして今・・・

プラットフォーム企業であるSNS企業がコンテンツ企業(メディア企業)
を連携や買収なりで統合化する動きが盛んになっています。


TwitterはGoogleと連携し、Twitter上でニュース配信できるように進め
Facebookでも顧客囲い込みのため、facebookから出ることなく
ニュースが全部読めるような動きが加速しています。
いわゆる垂直統合というやつです。
ユーザをどこにも逃がさないようにする囲い込み戦術のことです。

Facebookを例にすると具体的には、ニュース提供企業(コンテンツ企業)との
独占契約でFacebook上を優先して配信してもらい、
自社での配信は後回しにしてもらうものです。
インスタントアーティクルという機能でスマホアプリ化もされています。


こういったSNS企業がコンテンツ自体の主導権もとっていく戦略がある中で、
逆にコンテンツ企業が従来プラットフォーム企業が仕切ってきた
情報の流れを把握し、それを活用しようという新たな動きも出てきました。

それの典型的な例がバズフィード(BuzzFeed)であり、この記事の主題となります。
新興メディアのひとつですが、バズフィードを見ていると
今後ネットで何が起こりそうなのか、私たちは何に着目したほうがよいのか
今やっていることをのんびりやってていいのか
そういったヒントを与えてくれます。


キュレーションネコサイトからの脱皮

2006年に誕生したBuzzFeedは、あのハフィントン・ポストの創業も手がけた
ジョナ・ペレッティ氏とケネス・レーラー氏のコンビによるもの。

当初、日常生活のオモシロ画像などで集客していて
要するに人気のキュレーションサイトなわけですが、
一方ではネコサイトと揶揄されておりました。

このモデルを真似た日本国内のサイトも複数存在します。

ただBuzzFeedはマーケティング力も抜群に優秀なせいか
このキュレーションサイトは非常に人気を集めていたのですが
収益面では結構難儀していたようです。

「偉大なネコサイト」とも自称していたBuzzFeedは、
今は全くの別人とも言えるニュースサイトです。

別人になるために開発した武器がPOUNDというもので
POUNDを駆使し、ネイティブアド(ネイティブ広告)によって
莫大な収益をあげるようになりました。
(※POUND、ネイティブ広告とも後ほど説明します)

その変身のため、著名な記事ライターを外からバシバシ引き抜き
長文の硬派の記事(政治や経済など)をガンガン載せて
読者層もビジネスマン、企業幹部などの強い支持を集めるようになり
そのためにライターもただ書くだけはなく、現場への調査に乗り出したりと
新聞社の記者のような活動も積極的に行っているようです。

同時に、昔のどうでもよいオモシロネタ記事をどんどん削除して
サイトの方向性を明確に示すようになりました。



POUNDで武装しコンテンツの流れを戦略化するバズフィード


POUNDとは以下の頭文字をとったもの。
Process for Optimizing and Understanding Network Diffusion

ネットワーク上の拡散について理解と最適化のプロセス
といったような意味合いでしょうか。

普通、ブログやホームページのようなウェブサイトの場合、
アクセス解析ツール(Google Analyticsなど)で読者が
どこから来て、どのページを見て、どんなキーワードで・・・
といったような情報は簡単に収集できます。

しかしSNS上では、シェアされた数などはわかっても
情報の流れている経路は容易にはわかりません。

POUNDはSNSでのコンテンツ拡散がどういう風に広がって
いくのか、もちろん一本道ではなくツリー状に
枝葉が伸びていくように、それもあちこちのプラットフォームをまたいでいきます。

BuzzFeedが提供している以下の図でなんとなくイメージが
掴めるのではないかと思います。
(※図中、吹き出し部分はKENBO追加)

まず私たちはSNS拡散をどう見ているか、そしてその実態は・・・
POUND 拡散

そして樹木がマッピングされているような・・・
POUND BuzzFeed

POUNDがすごいのは、あるコンテンツがどのSNSから拡散を開始し、
どこを旅して、どこで見られていて・・・といった全体像を
俯瞰でき、コンテンツの拡散全容が解明できるという点です。


これが先ほど述べた、コンテンツ企業がそれまではプラットフォーム側の
専有情報であった情報の流れというものを把握し活用するようになったということです。



アドセンス広告からネイティブ広告へ収益モデルの変革


BuzzFeedはこういったコンテンツの流れ方を把握し
効果的に拡散させるノウハウをもっているだけではありません。

さらに重要なキーワードが、BuzzFeedの御家芸ともいえる
ネイティブ広告に秘められています。

ネイティブ広告とは、コンテンツの一部として自然に広告を見てもらうことを
狙った広告のことです。

スポンサー企業(広告主)の依頼をもとに記事制作側のチームが
テキスト+画像、テキスト+動画などの形でコンテンツ化します。

BuzzFeedの場合、非常にうまく通常の記事のごとく溶け込んでいて
違和感を感じさせません。

一例をご紹介すると、トヨタカローラのネイティブ広告。

抜群の拡散力を活かし、短文と動画の組み合わせで2週間で100万PVという成果です。

First Car Vs. First REAL Car


こちらがその解説(日本語で紹介されています)
「BuzzFeed」を成功に導いた経営戦略。多士済々が集結する、その歴史のすべて


上記は短文の例でしたが、長文ももちろん豊富にあって
2015年11月時点では、月間50億PVという恐るべき
SNSを知り尽くすコンテンツ企業に大変身しています。


それで・・・

ここでネイティブ広告をさらに掘り下げて考えたいと思います。
アドセンス広告とは本質が異なっているという点を
お伝えしたいと思います。



アドセンス広告とネイティブ広告の本質的違いとは?


冒頭のマネタイズに戻りますが、ネイティブ広告を使えと
言っているわけではありません(笑)

この広告制作は完全にプロ組織で取り組む話であって
個人レベルで早々できるものとはとても思えません。

しかし、例えばアドセンス広告に頼っている場合、
ネイティブ広告との違いを理解することは
この先マネタイズはどうなっていくのか?
を考えるよすがにはなります。

アドセンス広告に依存したままでよいか
それとも別のマネタイズできる作戦を同時に考えていくか
といったようなことです。


1990年代に遡ると、ポータルサイト(Yahooなど)が
広告枠を販売し、広告主がそこを使って自社の広告を配信するスタンスでしたが
2000年代になってくるとGoogleによるアドセンスという広告ネットワーク
にシフトしていきました。

別にポータルサイトに高いお金払わなくても自社サイトに
アドセンス広告張り付けておくだけでお金になるし
リスクないし・・・ということですね。


ところがここで古き良き時代の広告(笑)とは
異質の世界が始まったことになりました。

古き良き時代の広告とは、広告主の意図やメッセージが
直接消費者に届けられ、消費者はそれを見て行動を決める形態のもので
新聞のチラシ広告が例としてわかりやすいでしょう。

要するに、広告主と消費者がダイレクトな関係で情報が
伝わっていて、仲介する媒体があったとしてもその関係が
維持されていました。

つまり広告主からすると消費者の顔がそれなりに
見えている、消費者が「人」として見えている構造です。


一方でアドセンス広告は全く違います。

広告主は消費者の顔を認識するのではなく
認識できるのは「数値」なのです。

アドセンスを貼り付けているサイトにとっても
広告ネットワークから流れているものが単に表示されている
ことしかわかりませんし、広告主が誰かなんて
まるで意識することもありませんし、広告主、消費者とは
無関係の存在となっています。

広告主から消費者は見えず、見えるのはクリック数などの数値化情報です。

つまりアドセンス広告全盛の時代にあっては、
消費者は人として扱われていないのです。
統計上の数字、○○%とかで消費者が定義されます。


これってかなりいびつな関係だと思いませんか?


BuzzFeedのネイティブ広告は、広告主の意図を
ダイレクトにしかも効果的に消費者に伝える道を再現しています。
この意味において、コンテンツ回帰とも言えると私は考えています。

アドセンス広告広告主→Googleの広告ネットワーク→アドセンス広告配信サイト→消費者

ネイティブ広告広告主→バズフィードでのネイティブ広告→消費者


このアプローチは消費者に支持され驚くべき収益性
をあげるようになりました。

2014年度の収益は、ネイティブ広告戦略により1億ドルを突破しています。

あなたが仮にアドセンスサイトを運営しているとして
クリックされない、お金にならないと嘆くなら
その理由のひとつはサイトデザインやコンテンツ自体の要因を別にすると
実は広告モデルとしてのアドセンスが今やほとんどの人にとって
見慣れたものになり、さらに広告であることが明らかなため
消費者の行動を促すことが徐々に難しくなってきている
とも言えるのです。


だからといってアドセンス広告に意味が無いと言っているのではなく
広告の意味を考えるためのヒントになればと思うわけです。

あなたがアフィリエイターだとすると、これはもう
広告代理店業そのものなわけですので、広告とはなんぞや?
を避けて通ることはできません。
その点においてもBuzzFeedをじっくり観察するだけで
めちゃめちゃ勉強になりますよ。

そのBuzzFeedの勢いは留まらず、2015年8月にはヤフーとの
合弁会社でBuzzFeed Japan株式会社を設立しています。
間もなく日本版バズフィードが公開されるでしょう。



COMMENTS & TRACBACKS

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  1. いつもありがとうございます!ブログランキングから来ました。初めて知りました。勉強になりました!ありがとうございます!

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