抽象思考

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抽象を具体的に言うと~世阿弥の能面に隠された抽象化の秘密

2018年12月26日

2018年12月29日更新

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2018年12月26日更新

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この記事はひとつ前の記事に引き続いて、
『世阿弥』のことをしゃべってみようと思いますが、
一見難しそうな”抽象”を話題にしています。

難しそうな”抽象”
”具体的”に話してみようかと。

まず言っておきたいことは・・・
今生きている人は例外なく
”抽象”の世界に生きているという事実から。。。

えっ!? 
 俺はそんな面倒なこと考えたくない。
 ”超具体的”なことしか興味ねぇよ。」

と言う人であっても、
漏れなく抽象の世界でのみ
生きることを許されています。

一番わかりやすい話として、
”ルール”というのがそれです。

鬼ごっこひとつにしても、
ゲームにしても、職場でも
普段の社会生活でも私たちは
”ルール”の中で生きていますよね?
罪を犯したら法律というルールの下で裁かれます。

そのルールというのは、
こういう場合にこうしたらダメとか
ああいう場合にはああしても大丈夫とか
そこそこには具体的であっても、現実問題として
具体的なことというのは”無数にある”わけでして
その無数の事柄をひとつひとつ決めているわけではありませんね。

そんなもの決められても困りますしね。

つまりルールとは、
何らかの約束事を一般化している
ものになります。

で、この”一般化”という正体が
モロに”抽象”そのものなのですね。

無数の具体的な事柄があっても、
それを抽象化された事柄にあてはめれば
うまく答が出てくるようになっているわけです。

このルールという抽象の産物は、おおげさに考えずとも
友達の間でも、職場でも、何かの集まりでも
書面化されずとも存在します。

今ちょっと仲間同士の中で
トラブルが起きたとするじゃないですか。

そうするとそれを解決して、
今度は繰り返さないようにしようとして
何か決め事があったほうがスムーズにいくよね、
ということになりますね。

つまりここで初めてルールという
”一般化”された約束事を作るわけです。

そんなこんなで私たちは、普段から
”抽象”を無意識に使っていて
それどころか普段から大変仲の良い
お友達となっている身近な概念なんですね。

それで、常に戦略的に物事を考えられる人というのは
この”抽象”を常日頃からものすごく
意識的に使っているわけです。

戦略思考に通じた人は、
抽象にはレベル(階層)がいくつもあることを理解し、
そのレベル間を
自在に「意識して」移動するように頭を働かせています。

誰もが経験あるはずのことで・・・

誰かと会話していると話が全然通じない・・・
なんでだろう・・・
となることがありませんか?

こうなっている原因のひとつ(であり大抵はそうですが)が
お互いの考えている抽象レベルが異なるせいです。

戦略的考え方ができる人は、
抽象レベルが異なることを知ったうえで
相手の抽象レベルに下りてみる、
または上がってみるということを
意識的に行います。

これ言い換えると、自分自身の抽象レベルを
どこらへんに置いたら良さげかを客観視して、
自在に上げ下げできるという意味です。

なぜなら、それがコミュニケーションによる成功率を
アップするための知恵である
ことを知っているからです。

 

ここで「世阿弥」の話に移ります。

世阿弥の生きていた室町時代には、
いろいろな芸能が存在し競っていました。

どうやって自分たちの一座を生き延びさせるのかという
必死のサバイバル術が欠かせない時代だったのです。

めちゃめちゃ厳しい競争社会だったのです。

このことが、世阿弥が完成させた『能』が
”抽象化”を突き詰めていくようになった
背景と考えられます。

抽象化の目的はただ
競争に勝ち生き残るために、です。

まず、あのお面を思い出してみてください。

能面のことです。

翁(おきな)だったり、
般若(はんにゃ)だったり
さまざまな能面がありますが
そもそもあれをつけて舞うのはなぜでしょうか?

お面をつけると、役者の顔の表情は観客にはわかりません。

私たちが普段から楽しんでいる
テレビドラマにしろ映画にしろ
俳優の表情はとても重要で欠かせない要素であって
それを疑う人は誰もいないでしょう。

能は真逆なのです。

役者の表情を消す。

なぜ?

消すことによって演技自体に目を向けてもらう。
役者の表情でないところで
価値を生み出そうという試みなのです。

ひとつの例として、能の舞というのは
例えば指先の小さな動きとかよりも、全身を使っての
幾何学的なダイナミックな表現に特徴があります。

また、舞台でじっと座って動かない役者も出てきますけど
あれは脱力しリラックスしているのではありません。

ちょうどコマが高速回転で回っているとき
止まって見えるのと同じで
どの方向にも瞬間的に動けるような
力をたわめた緊張状態にあるということです。

能面は、登場人物を抽象化したシンボル
となっているのです。

例えば般若という面は、
女性固有の思い、想い、恨み、妬み・・・
そういった情念が結晶化され象徴されたもの。

歌舞伎との対比を考えましょう。
歌舞伎ではいかに女性らしい仕草を
演出するかという点に注力します。

しかし能ではもっと荒々しく、猛々しく、
不要な見せかけの美をどんどん捨てて
女性の美しさをどんどん追及し昇華して、
最後に残った女性らしさの
”結晶”を表現しようとする点でも全く違うと言えます。

能という表現は硬いように見えますが、
野村萬斎さんの狂言
なら多少は身近にお感じになるかもしれませんね。

能は狂言なくして存在できないくらいの緊密な間柄です。

野村萬斎さんがTVで、スケートの羽生結弦選手に
『序破急』(じょはきゅう)という能にも狂言にも共通する
限られた空間の中で自分を大きく見せる動作、呼吸などを
教えたというインタビューが放映されていました。

さて、ここまではほんの表面しかお話していません。
世阿弥が追及した”抽象”の考え方が
なぜにアフィリエイトビジネスで
役に立つのかは、前記事でもお伝えしたように
『無敵思考』の中で詳しく受講者さんへお伝えしています。

これも前記事で触れましたが、ジャパネットたかたの高田明さんが
なぜこれほどに「能」をビジネスに使えと推すのか
私なりに理解できたことでもあります。

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抽象思考はひとり作業のアフィリエイトでももちろんですが
職場など人が二人以上集まると必須になりますので
そこで優位に立ちたい人はどうあがいても必修科目になります。

無敵思考は深い意味で自分を『Upgrade』ためのものです。

更新はバージョンアップという小さな変化ではなく
アップグレードという今までの自分とは違う自分を生きること。

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